自動車のシート(座席)について

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シートに関連する内容・特徴・銘柄

自動車のシートで求められる機能

自動車用シート、様々な機能が求められる上に乗員それぞれの体型も考慮しなければならないというメーカーの苦労が想像出来てしまうパーツ。家庭用ソファを見ても高額なモノが一般化しているから、ある程度はお金を出さなければ満足いくものが手に入らないのは周知の通り。

また、自動車の内装の中でも大きなパーツだから、外観も重視される。
そして大きなパーツだから室内スペースに関与する割合も大きい。小さく軽量に作れば、シートの質はチープになるも、室内スペースは広く残るわけだ。
さらに!車種によってはシートアレンジまで求められるから、こと基本機能に関して純正シートというのは完璧を求めるたぐいのものじゃない感じさえする。

ここまで様々な要素が求められる上に、自動車の基本性能に対する比較評価と違い、誰でも特別な知識なくても、善し悪しが判断しやすい。特に女性の方が厳しいといわれる。家庭用ソファで良いモノを選択しているのが女性だからだろう。

輸入タイヤと、国産メーカーの輸出向けタイヤ。筆者が利用しているネットショップ。

駆動系の名前・用語と特徴

自動車関連用語と機能について、下記にまとめています。随時、追記・修正・コンテンツ増強中です。

座り心地など評価のポイント(スペース関連は度外視)

自動車のシート、一般的に座席としての機能的には、下記のような性能が比較評価されている。
個人的にもシートといえばこの辺りが気になるポイント

  • 安全性(剛性・強度・ヘッドレストサイズ、最大高・シートバックサイズ)
  • 座り心地(包まれ感・固さや厚み・自然な姿勢・シート背もたれサイズ、シート座面サイズ・表面生地)
  • ホールド性と運転のしやすさ(適度な座面サイズ、ショルダーサポートの有無・表面生地・車体インフォメーション)
  • 乗降性(サイドサポートの高さ・前後の傾き)
  • 長距離運転での耐久性(固さや厚み・着座時間に合わせてのクッション性・ランバーサポートの機能)
  • 振動吸収性能(乗員に伝わる微振動の低減)
  • リアシート乗員と快適性(シートバック厚さ・後部乗員のヒザと衝撃)
  • デザイン(シート上部のデザイン・生地模様・革質感)

シートはあまり流用されない?

近年、クルマの基本骨格はよく流用されている。プラットフォーム流用という言葉はよく耳にすると思う。これ平たくいえば、クラウンとマークXは同じクルマ、パッソ/ブーンとbB/クーは同じクルマ、マーチとキューブは同じクルマ、もっといえばオーリスとアルファードだって同じクルマらしい。

内装の小物パーツなどでいえば、もっと広い範囲で流用されているのに気がつく。

こんな状況の中で、シートに関してはちょっと状況が違うような気がする。少なくても車種によりシートデザインが変わったり、表面生地の色が変わったり。
特に国産車では、フロントシート、リアシート、それぞれ車格に合わせてしっかり差別化されている。基本的に大型車ほどシートも品質が上がり、長距離運転を重視した作りになる。反対に小型車ほど女性の体型に合わせたサイズになり、短時間運転での快適さや乗降性が重視されていると思う。

クルマ全体の特徴を考えれば、まさに理にかなっている。
コンパクトカーに長距離向けシートを組み合わせ、価格をアップさせれば、発売前から不人気になるのが想像出来てしまう。車格とボディサイズと質感、このバランスが優れているのが国産車。小型車で良いシートという分野は欧州車に任せてください。

同じようなドライビングポジションで同じようなボディサイズの自動車なら、デザインまで同じシートを利用しても良さそうなものだが、シートの100%流用は少なめな現状を見ると、自動車のイメージ的にも重要な部位というのが想像出来る

シートの各部名称

主に金属とウレタン系クッション材で構成される自動車用シート。代表的部位と名称。

  • シートフレーム ・・・ シートの基本骨格。
  • シートフレームワイヤー ・・・ ワイヤー状のスプリング。
  • シートバック ・・・ シートの背もたれ部分。
  • シートクッション ・・・ シートの座面部分。
  • ヘッドレスト ・・・ 頭、首を保護する部分。
  • リクライニングアジャスタ ・・・ シートバックの角度を調整する機構。
  • シートレール ・・・ 車体とシートの間に位置し、シートの前後調整を行う機構。
  • ランバーサポート ・・・ シートバックに配置され、腰椎を支えることで腰の負担を軽減する機構。
  • サイドサポート ・・・ シート座面のサイド部分のサポート。

シート表面生地・表皮について

シートの生地は大きく分けて2種類。布系が「ファブリック」、革系が「レザー」と大きく分けられる。ファブリックには編み物系と織物系があり、レザーシートにはフェイクレザーも分類され、また違う生地が合わせて使われる場合は「コンビ」と呼ばれる。

以下、よく使われる生地と一般的な特徴。

モケット
ファブリック。織物系。シットリしていて特に毛が長いタイプだと滑りにくいという特徴がある。製造に手間が掛かるといわれるだけあり、根強い人気がある。
織物ジャージー
ファブリック。平織りなどと呼ばれる織物系のサラッとしたタイプ。柔らかいモノから固いモノまである。
トリコット
ファブリック。編み物系。ジャージ織物と組み合わせて使用される場合が多い。
ダブルラッセル
ファブリック。編み物系。トリコットより毛を長くできるといわれる。
セミアニリンレザー
本革。現在主に高級車のレザーシートに使用される。一般的なレザーと比較すれば、見るからに高級に見えるのが特徴。自動車用レザーとしてはテカリやギラギラ感が少ない。
ナッパレザー
本革。クルマでいうナッパレザーとは柔らかくて薄めのレザーの総称。質感は高く座り心地も柔らかい。通常のレザーと比較すれば傷つきやすいという一面もある。
アルカンターラ
合成革。バックスキン調。アルカンターラは「東レ」の固有名称だから、似たようなタイプはアルカンターラ風などと呼ばれる。スエードやヌバックの様な質感で、バックスキン風。固めで滑りにくい。
ARTICO
合成革。通気口がありべとつきにくいという特徴を持つ。
ビニールレザー
合成革。質感より実用性を重視。ヨーロッパのオープンカーに使われる場合がある。
カムイ
レカロシートのサイドサポート等に使用される。サラッとしている上に滑りにくい機能性溢れる生地だが、乗員が身につける洋服の生地を選別しても静電気が起きやすい。質感はバックスキン風。
アブス
レカロシートのサイドサポート等に使用される。耐久性の高さに定評がある。

「ふかふか」か「固め」か?

車種や想定される用途によって、メーカーはシートのキャラクターを別けていることが想像出来る。それによって「ふかふか」か「固め」か、ユーザーは車種によって制限されてしまう。平たくいうと、車種は選べるけれどシートは選べないというとこだ。
「ふかふか」が好きか「固め」が好きか?これはもう完全に好みの問題。どっちだって質感や機能性が高ければ良いシート。

ではどんなクルマにどんなシートが付いている事が多いか、筆者の適当な経験を元にまとめてみる(見当外れだったらごめんなさい)。運が良ければ確かな情報、これが当サイトのポリシーです。

クルマの性格、ジャンルによるシートの傾向(2013年現在)

  • コンパクトカー ・・・ 基本的に女性ドライバーに合わせたサイズ。身長180センチを越えるとヘッドレストの高ささえ不足。ごく一部、欧州でも販売される車種では良いシートもある。
  • コンパクトミニバン ・・・ 室内を広く使えるようにミニマムサイズが基本。シートバックは極限まで薄く作られるのがトレンド。ランバーサポートなんて言葉はありません。
  • アッパークラスセダン ・・・ フロントシート優先のモデルでは、フロントのみ掛け心地よいうえに楽な姿勢で座れる。リアシートを重視するならクラウンやフーガクラスがゆったり座れる。その下のクラスとの差が大きい。
  • ビッグミニバン ・・・ スペースを重視したモデルでは車体からすると小さめ&薄め。座り心地を重視したモデルでは大きめ&ゴージャス。
  • スポーティクーペ ・・・ 薄めでシートポジションを下げつつ、固めでクルマの挙動を伝えてくれるタイプがメイン。

メーカーによるシートの傾向(2013年現在)

  • トヨタ ・・・ 全般的に固め&薄め傾向。リアシートは最低でもクラウン&アルファードクラス以上でないとチカラが入れられていなそう。全体的にジャージ系ファブリックの表面生地は質感今一歩。モケットの方がいい。
  • ホンダ ・・・ 柔らかい&固め、どちらか極端。ミドルクラス以上の車種ではランバーサポートが心地よし。
  • 日産 ・・・ コンパクトクラスのシートは概ねダメ。300万円超クラスはレベル高い。本革の質感も期待してよし。
  • マツダ ・・・ どの車種も概ね自然なポジションで座れ、座面もシートバックもそれなりの厚みがある。マツダは欧州車的といわれるがシートの座面サイズは小さめ〜普通。体型の小さい方でも運転しやすいと思う。
  • スバル ・・・ 総じて座面の表面近くは柔らかめだけどその奥はコシがあるような。昔のスバルとは全然変わった。
  • 三菱 ・・・ クルマに寄りけりだがライバルより良いじゃないと感じることもしばしば。
  • スズキ ・・・ 軽自動車の中では長距離運転も考慮されている印象。どれも極端にフワフワはない。
  • ダイハツ ・・・ スポーティタイプを除けば極端に柔らかめ。スズキより厚みがある傾向。多くの車種でリアシートは薄くチープ。
  • アルファロメオとFIAT ・・・ 欧州車にしては柔らかめだけど表皮のデザイン等により滑りにくい。リアシート座面も充分優しい。意外にも日本車に近い印象。
  • プジョー&ルノー ・・・ 普通〜柔らかめが基本だけど、なんとなく反発感があり包まれるイメージ。
  • VW ・・・ 総じて固め&サイズ大きめ。クルマによっては座面が長すぎで筆者には運転しにくい。本革シートだとサポート性は普通レベル。リアシートのあの固さはなんの意味があるのだろう。
  • メルセデスベンツ ・・・ Cクラス以上のハナシながら、一般的な乗用車の中で世界一のシートはメルセデスか?本革の質感は国産車が1番のように感じるが、Sクラスの本革なら満足感高い。
  • BMW ・・・ 本革シートの表皮は意外と固い傾向だと思う。固いから傷つきにくいかなと感じる時がある。固いから悪い訳じゃないけど、表皮のみの質感ならレクサスの方が魅力的。

社外品として販売されているシート

椅子といえば何でも高価。ソファだってオフィスチェアだってそこそこのモノでも結構なお値段で販売されており、みな当たり前のように使っている。だから自動車用のシートだって高価なのは仕方がない。ちなみにお値段は2脚で25万円くらいから(シートレール含む)。

新車の価格を考えれば絶対的に安くない上、ラインナップされているのはスポーティタイプが多い。だからゆったり快適、乗り降りもしやすいという日常での便利さも加味して選べば、クルマを買い換える資金に回した方が得策、かもしれない。

社外品のシートについて(形状)

社外品のシートは大きく「セミバケ」か「フルバケ」と分けられる。

セミバケットシート
シートバックのリクライニング機構を持ち、日常でも使えるほどほどのサポート性能を有したタイプ。
フルバケットシート
一般的にリクライニング機構がない形状のシートタイプを指す。体型に合わせサイズが指定できる。
その他コンフォートタイプ
どちらかといえば純正シートに近い形状をしている。乗降性を重視しつつ、欧州車的なシートが欲しい場合の選択肢。中には本革やパワーシートもある。

社外品のシートについて(ブランド)

シートについて社外品を選択するなら、日本で発売されているブランドと傾向を知っていれば、例え試すことの出来ない通信販売を利用しても、大方選択することができそう。
実際に愛車に取り付けて、それなりの長期間使ってみないと評価は難しいから、通販での購入自体は悪くないと思う。

  • RECARO(レカロ) ・・・ ドイツのメーカー。フルバケ、セミバケ、日常用に最適化されたシートなど豊富なラインナップを持つ。タイプによっては座面が大きすぎて日本人には向かない場合もある。価格は1脚10万円程度〜。
  • SPARCO(スパルコ) ・・・ ラインナップのメインはフルバケ。セミバケも多少用意されているが、基本的にスポーティ走行用がメイン。価格的にはまずまず安め。
  • BRIDE(ブリッド) ・・・ ティーズ株式会社。基本的に国産なのをアピール。シートは体型に合っている事が最も重要だとすると、日本人にピッタリなのはBRIDEでしょう。価格はフルバケ1脚5万円程度〜。
  • COBRA(コブラ) ・・・ イギリスのメーカー。低価格でレトロタイプのシートをラインナップ。
  • Sabelt(サベルト) ・・・ イタリアのメーカー。基本はシートベルトメーカー。だけど同ブランドのシートも発売。
  • momo(モモ) ・・・ イタリアのメーカー。革の加工に定評がある。ステアリングやシフトノブなどが有名。momoブランドのシートはフルバケで1脚8万円超と価格は高め。
以下、名称以外はよくわからず。勉強を兼ねて確認中
  • TSテック株式会社
  • 株式会社タチエス
  • コノリー・コノリーレザー(現在はブランド名のみ)
  • トヨタ紡織株式会社
  • 千代田工業株式会社(主にシートレール)
  • 埼玉工業株式会社(主にシートアジャスターなど)
  • 株式会社東洋シート
  • 有限会社スズキ・シート産業
  • JFEスチール株式会社
  • トレジャーチェア(自動車のシートをオフィスチェアに流用)

シートがへたった時の裏技

自動車のシートは基本的に「板バネ形状を含むスプリング」と「発砲ウレタン系のクッション材」がメインだから、長く使っていれば当然へたってくる。具体的には柔らかくなってきたり、終始フワフワ感が続いたり、表皮が擦れてきたり。
自動車のシートは同じモノが2カ所、運転席と助手席に付いているから、幸か不幸か簡単に比較することができる。クルマによっては走行3000キロで柔らかくなってくるシートもあるので、気が向いたらチェックも良いかも。

購入してから一定の時間が経ち、自分でなんかしてみたいと思ったら、とっておきのD.I.Y.ができる。場合によっては新車時より満足感を得られるシートに大変身。お金もかかりません。
具体的にはクッション材を追加またはクッション材を削る、これだけ。

  1. クルマからシートを取り外す。フロントシートならネジは4本。
  2. シートの座面または背もたれ、調整する部分の表皮を剥がす。じっくり構造を見ればだいたいが難しくない作り。
  3. タオルを切って気になる部分にテープで貼り付けてみる。
  4. 気になる部分にどれくらいの厚さを追加したらいいかメドが立ったら、ワタやウレタンチップシート、吸音材などを貼り付ける。
  5. 自信があれば元のクッション材をカット&削り、その上に新素材を追加する。
  6. 新しく追加する素材は、組み合わせで質感を変えられる。固め+柔らかめの材料をブレンドすれば、質感アップ。

一度やり方を覚えてしまえば、後は体型に合わせて切ったり貼ったり。筆者は昔、バケットシートを買うお金をケチってギリギリまで座面クッションをカット、10センチ近くポジションを落としたこともあるし、別のクルマではサイドのサポートをカットして乗降性をアップしたこともある。
また3ペダルのマニュアルミッション車では、左足の太もも下とか右足の太もも下を薄くすれば、まさに自分だけのシートのできあがり
単純にお金を掛けるだけじゃ能がない!?仮に失敗したらオークションなんかで適当なシートを買えば良し。お金を掛けずに楽しめる部分だってとことん楽しまなければ損です。

輸入タイヤ、国産メーカーの輸出向けタイヤの購入。筆者が利用しているネットショップ。

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