(2009年記事 ホンダ RN3ストリーム 著:元自動車整備士)
2000年に突如登場したホンダストリームは、まさに隙間ビジネスの様な形でホンダが発売しました。まるで宝くじのような作戦で新しいマーケットを探すホンダらしさが、このコンパクトカーベースの乗用車ライクなミニミニバンを誕生させました。2006年まで7年間の間、販売されました。
ミニバンブームを巻き起こしたホンダ・オデッセイ。そして、今度はコンパクトカーサイズでありながら3列シートのミニバンという発想は、ワンボックスを乗っている人や、ワンボックスは、ほしいけど駐車スペースや経済面での問題を抱え、悩んでいる人に、一気に結論づける魅力がありました。
そして、「なんとなくオシャレっぽい」というホンダならでは訳のわからないけどうまいイメージで知名度急上昇。角のない人畜無害でマヌケなデザインなんか全く関係ないように、オデッセイに続くさらなるミニバンブームのキーワードをホンダは作ったのです。
初代ストリームは、同じく2000年に登場した7代目シビックとともに日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したすぐれものです。
ストリームのラインナップは1700ccがベースとなり、1700ccの4WD、2000cc、2000ccの4WD、さらに後には2000ccモデルにCVT搭載タイプが追加されています。グレードや特別仕様車を抜きにしても5種類の基本パッケージが用意されるという、ホンダらしい豊富なラインナップでコンパクトカーからミニバンまでの価格帯をしっかり埋めています。
わたくし、”元自動車整備士”というハンドルネームで記事を書かせて頂いておりますが、文字通り以前は整備士。試乗販売キャンペーンの時には営業もやらされました。
そんな私の働いていた工場で、年に4回ほど大試乗会というのが行われましたが、そのときにラインナップされたばかりのRN3ストリームを見て乗って(好き勝手に)山道を試せる機会がありました。
この方からデビューとなる新しい4気筒エンジン、K20A&D17Aにも興味津々です。
ストリームの室内に入って内装を見ると、あまりに普通すぎて残念な反面、インパネシフトが採用された部分には喜びを感じました。というのも、コラムシフトは操作しにくくて単純に嫌いです。
この頃(ストリームが販売された頃)からホンダ車のメイン車種で用いられたインパネシフトとは、インパネ(インストルメントパネル)と一体感のあるシフトゲートという作り。一般的にインパネにシフトノブが付いたタイプを指します。
軽自動車の様にフロアからシフトノブが伸びているわけでもなく、セダンのようにセンターコンソールに付いているわけでもない。ミニバンのアップライトな着座姿勢に最適ともいえるこの場所、ステアリング脇にくるコラムシフトより、ちょっとだけセダン感覚で操れるタイプになります。
2000年デビューのホンダのストリーム、インパネシフトは先駆けではなくて、先に始めたのは確かミツビシのグランディスやRVRだったか?野球ボールの様な大きなシフトノブは忘れることができません。
内装の評価をしてみると、いかにもミニバンといったデザインよりも、地味なコンパクトセダン風。インパネシフトということで目新しさはありますが、質感や作りは、さすがホンダ。手を抜きまくってます。いや他メーカーと同じだけの予算はあるのかもしれません。ただ見せ方がちょっと。上質で普遍的なデザインなら好感度大。質感低くて普遍的なデザインなら好感度最悪。
残念ながらクルマに興味がない人に聞いても、ドア内側の内装なんかはほんとパコパコと評価されています。
まあ実際問題、このクラスの実用車にとって、内装はどうでもいいこと。少しでも安いことに意味があるのが現在の価値観。気になるならシビックやアコードなど正当派のセダンがいいかもしれません。
内装総括、比較としては、絶頂期のホンダらしさではなく、RVメーカーとイメージを変えたそのホンダ。ストリームはシビックベースという事もあり、同じベースの社格として考えると納得しなければいけないと言わざるをえません。ストリームデビュー後の2003年、3年後にデビューしたトヨタのウィッシュの品質と比較すると、内装に華やかさもなければ、部分的に見てもこったデザインをしているわけでもありません。
もちろんトヨタのウィッシュだって内装は最低限。高級軽自動車と同レベル。ですが、ウィッシュは徹底的に若者向け、ストリームは若い世代向けのくるまであるにも関わらず、地味なんです。
ストリームの乗り心地インプレッション、標準で付いているショーワ製と思われるショックの乗り心地は、やや固め。特にリアが固めです。試乗時、ちょっとしたくぼみも拾うのでちょっと堅めな感じです。これは2000ccのグレードの印象ですが、横幅狭くて背が高い、しかもフル乗車時を考えれば、それなりに固いセッティングは想像の範囲内。
もちろん、堅めダンパーを作れば渋いだけのカヤバ製のショックや、フリクション+底付き感を感じるトキコ製のショックよりは、さすがショーワといった感じの乗り心地。比較的スムーズで、初期からの減衰力を感じます。(大きすぎる段差ではガタンときます)。
ちなみにこれ、最大のライバルとなるウィッシュと比較すると、ウィッシュは1800ccでもストリームより固め。その分、ロール剛性も高めでロール感も少ないです。そして初代ストリームと初代ウィッシュを比較すれば、実はウィッシュの方が上級車という感覚が強いのも事実。トヨタが作るとなんでも悪いクルマというわけじゃないんですよ。
中身でトヨタ車が勝つ、珍しい例には変わりありませんが。
話は戻ってストリーム、ミニミニバンというボディ形状から、同クラスのセダンやその上、6気筒クラスのセダンなどと比べてしまうと、ハーシュネスはとても悪いというのが現実です。新車から中古車っぽい印象です。気にするならもう少し車格の上のクルマか正当派のセダンを狙いましょう。
コレに関しては、ライバルのトヨタ・ウィッシュもダメですね。スカットルシェイクをガクガクブルブルと感じ、コーナーや一般道、高速道路のくぼみもばたつきます。大きな段差では、内装がミシリということも。
定番の比較になってしまいますが、ウィッシュの乗り心地の悪さは日本車最悪ともいっていい出来映え。同じミニミニ3列シートでありながら、ストリームの方が柔らかく快適。でもクルマとしての高級感はウィッシュの方がある。なんとも難しい話。ストリームは昔のシビック、ウィッシュは同世代のカローラ、そんな感じか。
こればっかりは実際に体験できればぜひ試乗比較してみて下さい。
新しいクルマに試乗しての印象は、今までお乗りのクルマの印象が元になるため、感覚は大きく異なります。(私たちは絶対的な感覚を重視します)。
ちょっと荒れた道での乗り心地、フラフラ、ステアリングレスポンス、これら背が高いクルマだと厳しいわけですが、個人的に納得できれば全然問題ないわけです。この辺りを重点的にチェックしておけば、買ってから後悔することも少ないと思います。


ホンダの新しいミドルクラス用エンジン、K20A型。従来のF型などに変わってこれからの主力となる4気筒エンジン。
サブネームにi-VTECと名付けられ、お馴染みVTECの制御で低回転も高回転もトルクを出すという優れた仕組み。さらに今回は、同じエンジンで簡単に実用エンジンとスポーツエンジンに変えることができるという話。
ストリームに積まれるK20Aはもちろん実用型ですが、後に高回転重視のスポーツユニットも出てきます。(後に出てくるK20B型は直噴)。
エンジンに関して、特徴は意外にも高回転型という印象。低回転では思ったほど余裕はないが、ミニバンタイプのボディでありながら、2000ccセダンと同程度のトルク感あります。一昔前の2000ccのような、アクセル分でも進まない、エンジンが苦しそうという感じはありません。(上り坂はわからず)。
それでいてきっちり上まで回るのがうれしい。スムーズで振動も少なめ。聞けばバランスシャフト付きとのこと。総合して低回転=並み・高回転=優。
トヨタや三菱のエンジンと比較して、カタログスペックは変わらないかもしれませんが、高回転でパワーが落ち込まないのが昔ながらのホンダのエンジン。鋭く回転が上がっていくわけではなくても、なんとなくスポーティな意識を持って運転できます。
ストリームは、この手のミニミニバンの中では、運転するドライバーが運転していて楽しいと感じるかもしれません。
セダンボディやベースのシビックより質が落ちますが、楽しもうと思えば楽しめる、そんな感じです。エンジンだってガンガン踏んでいけば180キロまで到達するし、中間加速からコーナーリングといったシチュエーションもこなすことも意外と楽しめる。乗る人の気持ち次第です。
微妙な評価、レビューですが、ちょっとでもいいモノを知っているんだったら、クーペやセダンに乗った方が幸せを感じられます。
初代ストリームは、丸みのあるボディーラインをしていますが、全体的に見てちょっとマヌケさを感じます。マイナーチェンジで、ライトが変わりアブソルートのグレードもでましたが、個人的には初代マイナーチェンジ前の面構えの方が、落ち着いていて前後のバランスはちょうどいいのかなと。
このクラスのコンパクトミニミニバンは全体的にお手頃で、コンパクトカーにちょっと飽きていれば、ストリームもしくはウィッシュ、RVRなんていうミニミニバンと生活を共にしてみるのも面白そうです。
ただし、装備を充実させようとすると、価格は正当派のミニバンと変わらなくなってしまいます。
エンジンに関しては、燃費が気になる方も走りを楽しみたい方も含めると、インテグラタイプR にも使われているi-VTEC仕様のベースとなるK20A型エンジンがスポーティ。高回転でも振動少なめなので回して走りたい方にはいいことはいいですね。
2000ccのグレードは、価格も大幅にあがり、人に勧めにくいグレードになりますが、バランサー付きかと思われるこのホンダ新世代のエンジンは4気筒では質感もよく、この価格も納得。高回転を回す方やエンジン振動などを気にする方は排気量の高い2リッター、FF、5ATのエンジンがオススメです。いや、ストリームが好きなら積極的に2000ccを選んで下さい。
エンジンは無段階可変バルタイが特徴のi-VTECですが燃費重視タイプということで、レギュラーガソリン仕様となっています。もちろんハイオク仕様のクルマでも、そこにレギュラーガソリンを入れてもいいですが、気分が違います。もとからレギュラー仕様ならガソリンが高い時代でも多少は気が楽ってものです。
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ライバルと比較しての評価 |
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|---|---|
| エンジン質感 | |
| 足回りの質感 | |
| 内装の質感 | |
| 外装の質感 | |
| 快適性 | |
| お買い得度 | |
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