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(2005年記事 トヨタ MR−S 著:元自動車整備士)

トヨタ・2代目イプサム・試乗インプレッション

ファミリー思考としてデビューした初代イプサム、トヨタとしては、もっと売れてほしかったと思うかもしれませんが、それなりに結構売れました。初代は1996年から2001年の6年間売り続けました。

長いモデルサイクルのイプサム

クルマというのは、だいたい現行型が4年間売られ、その間の2年経つとマイナーチェンジとして、前期モデルの悪い部分をよくしたり、販売をより上げるために、もったいぶっていたところを追加させたりと言うのが、主流ですが、この頃は、不況なども絡んできているのか、くるまによってそれぞれのモデルサイクルに沿って対応されるようになりました。

2台目イプサムは、廃盤やフルモデルチェンジが噂されていましたが、結局、細かな部分の改良を続けて、ほとんど変わらず長期にわたって売っている車です(2009年現在)。

2代目イプサムの概要

この2台目イプサムは、初代イプサムが5ナンバーサイズに抑えた大きさと2000ccという排気量だったのに比べ車体自体を大きくし(全長120mm、全幅65mmもアップ)、なおかつ排気量を大きくしたせいで、車両価格が初代で200万円切っていた主力がなくなり、価格が上がった分、初代イプサムを乗っていた人たちが、買い換えるという事は少なく、また新しいオーナー自体も増えないというトヨタの失敗作にもかかわらず、モデルチェンジもせずに販売しているめずらしいクルマです(2009年現在)。

では2代目イプサムの外観デザインを見てみると、初期型と比べ2003年のモデルからヘッドライトが少しだけ中央よりの部分が鋭くなりスポーティさを出したデザインになっています。とはいってもディテール以外あんまり変わっていませんが。

グレードによって異なる印象

では試乗レポートを。走行2万キロくらいのイプサムをレンタカーで借りて、走ってみて感じることは、240iと言うグレードはあくまでごく普通の旧世代ミニバンという足回りで、柔らかくゆったり動き乗り心地重視です。
ただしこれ、周りの競合他車に固めのサスペンションを持つモデルが増えた為、これはイプサムの長所。
この柔らかい足回りセッティングは、同乗者付きのコーナーリングでは神経を使います。しかし内装がミシミシいわないなんていう長所もあります。

それに合わせてハンドリングもまったりとしたゲインの立ち上がりですので、ジオメトリー的にも安定志向でしょう。ジュースを飲みながら、おにぎりを食べながら運転するのに最適なセッティングです。

エンジンは、2人、3人と乗ると、これはもうカメのよう。ゆっくりあせらず走ろうよと、カメさんが頭に浮かんできます。
いや市街地ならこれでいいんです。でも高速道路の合流なんて、ドライバーは一生懸命になってしまいます。高回転を使いたくないがさつなエンジンと、4ATというミッションが原因かもしれません。

いつも複数人乗車なら240sを

こういった標準グレードも全然いいんですが、いつも誰かが同乗される場合を考えると、もし、イプサムの中古購入を考えるなら240sをオススメします。こちら、若干割高にはなりますが、240sには15mmローダウンのサスペンションと16インチアルミホイール(現在は17インチホイール)を採用し、高い操縦性があり、運転していても楽しさがあるグレードです。

タイヤにもよりますがコーナーリングフォースはオデッセイアブソルートと同じくらいが体感出来ます。

イプサムをライバルと比較すると・・・

イプサムのライバルは、ホンダのオデッセイ、大きさ、排気量からしてもイプサム2台目の現行型からのライバルといった方がいいかもしれません。

しかしホンダのオデッセイ2代目が1999年12月(ほぼ2000年)デビューというイプサムと一年の誤差がありますが、イプサムがフルモデルチェンジをしない間に3度目のフルモデルチェンジをしています。

エンジンは、質感ではかないませんが、絶対的な加速力はオデッセイのアブソルートに近い印象。VTECだなんだいっても、排気量は似たようなモノ。スムーズさや音以外では、限られたシチュエーションでしかそんなに速くはない。実は。
実際は全域でトルクを感じるのはオデッセイのエンジン。クルマに興味がある方なら気付くだけのチカラの差はあります。イプサムのがさつなエンジン音、そしてATが4段というのが、スムーズさを欠く別の要因でもありますが。

オデッセイとの最大の違いは、やはり中クラスのミニバンとして全高を60mm高くすることで、室内空間がゆったりくつろげ、5ドアミニバンとしては、最も多彩なシートアレンジができることです。

またミツビシ・シャリオグランディスと比較すると、車体の大きさは若干違えど、キャラクターは似ています。ゆったり動く車体にゆったり回るエンジン、柔らかめの足回り。またレスポンスよりショックを少なくしたATのキャラクターも似ています。
高級感という点ではイプサムが若干リード。居住性も上です。逆に乗り心地の柔らかさ、エンジンのフィーリングという面では、シャリオグランディスがリードしているように感じます。

スペシャルな装備、TEMSも用意されます

余談ですが、240u-GSelectionと240uのグレードには、Hインフィニティ-TEMSを標準装備し、各4輪の減衰力コントロールによって、快適な乗り心地と車両安定性を高めています。
これは、ショックアブソーバーの減衰力自動調整機能。イプサムのそれは、一昔前のいらないTEMSと比較すれば、だいぶよくなっているとのこと。個人的経験上、ショックがへたればTEMSの効果は余り感じられませんが、新車購入かつ興味があればこちらをどうぞ。メーターパネル内の切り替えランプを見ているだけで、少しは楽しめます。

中古車ならイプサム240Sを選択したい

繰り返しになりますが、240sには15mmローダウンのサスペンションと16インチアルミホイール(現在は17インチホイール)を採用し、高い操縦性を実現ししています。もちろんミニバンにしては、という条件付きですが、運転を楽しむグレードです。
オデッセイのアブソルートのような足回り。ホンダほど大きな段差をスムーズに越える能力はなくても、ビシッと走る感覚は近いものがあります。タイヤの空気圧を多少低めにするのが良かったです。

ライバルのオデッセイは、どちらかといえば人気車で中古車もお得ではないですが、イプサムは、特に不人気車という事もあり、程度がよく、お買い得なお値段で購入ができると言うところです。新車ならオデッセイの大幅値引きで勝ち、逆に中古車ならイプサムの割安感が勝ち、ですね。

トヨタ イプサム

トヨタ
  • ipsum (イプサム)
  • テストグレード : “240i”
  • 形式 : ACM21W
  • 排気量 : 2400cc
  • エンジン : 2AZ-FE

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