コンフォート性能として乗り心地と騒音テストをメインに、タイヤによってはサーキット走行でのレビューも掲載中。
ブリジストンブランドで発売されている低燃費タイヤ「エコピアPZ-XC」についての使用レポート、感想です。
ブリジストンのエコピアシリーズといえば、低燃費性能を重視した低燃費タイヤ。ちょっと前の表現でいえばエコタイヤになりますが、こちらのエコタイヤの方が一般的でしょうか。
従来エコタイヤといえば、濡れた路面でグリップ力が極端に落ち、ブレーキ制動などに不安を感じるのが常でした。これはカタログ上の微々たるスペック差ではなく、エコタイヤを使用すればハッキリ評価出来るほどの特徴だったわけです。
今回、このエコピアPZ-XCはウェットグリップに関してもチカラが入れられています。同世代のエコタイヤは皆、同じような傾向ですので「燃費性能特化」の時代から、「燃費性能は良くて当たり前」な世代に成熟したようです。
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エコピア・PZ-XCをダイハツ・ミラココア(軽自動車)で使用してみました。
タイヤサイズは「155/65R14」。
(試乗レポートはこちら!ミラココア試乗インプレッション)
比較参考 : ブリザックREVO-GZをドライ路面で使用レポート
タイヤは自動車に関するパーツの中で、特に評価基準、判断が難しく、テスターの体調次第で比較評価が変わってしまうほどの繊細な部分を持ちます。独断と偏見、さらには主観を多く含む記事となってしまう点をご了承下さい。
※文中のタイヤ空気圧、圧力単位は 「kgf/cm2」。
低転がり抵抗を重視 + ロングライフ性能を重視
このタイヤを使ってみての感想、まず新車時装着タイヤと比較すれば、乗り心地やステアリングレスポンスが大きく変わった。どう変わったかといえば、まず乗り心地、固くなる。サイドウォールが固いのかトレッドが固いのか、やはりエコタイヤといえばこんなものなんでしょう。
今回、すり減った山無しタイヤからの交換でないため、新品のゴムの厚みによる差は少なめ。
タイヤの印象は固め、しかし荒れた路面でのドタバタ感は少なくなったから、固くても許容できる固さといえる(この感覚が新品時限定かどうかは使用していくうちにお伝えできる予定)。
荒れた舗装路でのドタバタ感が減ったことに伴い、荒れた道での静粛性はなかなか。もっとも軽自動車はエンジンがうるさい上にタイヤは細く小さく、ロードノイズの評価という点では有利な一面がある。つまるところ筆者的には、普通のタイヤで比較すれば、どのタイヤも大きく静粛性が劣っていることはないと考えている。体感上、コンパクトカーの方がよほどタイヤの騒音が気になる場合がほとんどだ。
次にステアリングレスポンスの変化。こちらは笑っちゃうほどの違いが。どなたでもハッキリわかるほどの違いなのは、おばちゃんが運転してタイヤ交換に気付いたほどだといえば変化を想像して貰えるかな。
どっちに変化したかといえば、切り始めが敏感になった。ヨーの立ち上がりが早くなったというか、ゴムのたわみが減ってハンドル舵角が減ったというか、そんな感じ。
※追記:2年経過し車両状況も変わり、印象が変わりました。下に追記しています。
舵角大きく切り込んだ先のステアフィールの変化については筆者の勉強不足で違いはわかりませんでした(ごめんなさい)。クルマの特性として、もともと軽く手応えがないのと、軽自動車というボディサイズなどからくるクルマ自体の特性から、コーナーに入ってからガシッとハンドルを回す方にはちと辛いかな、と感じる。逆に切り始めが丁寧な方はより手前からゆっくり少しずつハンドルを切れば、剛性感は高いタイヤなので、ほどほどにダイレクト感はアップと、良い評価ができると思う。
エコピアPZ-XCというタイヤに変えて、中立付近でのあまりに大きな変化と、ドライバーによっては運転しにくいという評価になり、購入したタイヤショップで車体のアライメントをチェック、調整してもらった。特に「トー」は通常よりかなり念入りに合わせて頂いた。お店はタイヤ館(ありがとうございました)。
その結果、乗員がロールを感じない程度のハンドルさばきでは、フラフラ感が減ってかなり良い状態に。しかしがんばっても横Gの発生が雑で大きな場合にはあんまり好ましい感触じゃないから、ドライバー技術の不足を補ってくれるようなタイヤじゃない。
軽自動車の車両価格を考えればアライメント調整は超高価!冷静に考えれば生きたお金とは言えないような・・・。こんなことまでして乗るほどクルマ好きなら、もっと違うクルマがあります。知的好奇心を満たすという名目でのみ許される(許して欲しい)のは百も承知。とにかく気になったんですおバカといわないで下さいね。
ブレーキ制動力と減速力、フルブレーキはタイヤの性能に大きく依存する部分。ブレーキは軽自動車全般で苦手の分野だ。エコピアPZ-XCとミラココアでは、雨の日のウェットブレーキだからといって、低燃費タイヤだからといって、体感上、大きな違いはなし。制動距離を計測すれば違いはあると思う。でも個人的には二重丸。
一昔まえのエコタイヤとはちょっと違う。ココまで来れば、大事なのはしっかりとブレーキペダルを踏めること。踏めば普通にはブレーキ効きます。
緊急時に目一杯ペダルを踏めないようじゃ、タイヤの性能比較以前の問題。
しっかり踏める場合は「コレで十分」となるか「スポーティ系タイヤが恋しくなるか」ご予算に合わせて。
軽自動車は従来のタイヤでも決してブレーキ制動力が高いとはいえないから、それもある。踏み始めの一瞬はグッと効くがその先はなかなか減速してくれず。もともとドライバーを含む乗員がびっくりするほどの減速力がないのが普通の軽自動車。とにかく目一杯ペダルを踏み込むのが良いのか、ABSが介入しないように踏むのが良いのか。よくわからなかったらとにかくゆっくり走るのが一番。いつでもタイヤ変えたらできればフルブレーキの実験はしておきたいな、と思います。
発進時は確かに軽くなる。タイヤを交換した際、お店の人が少し高めに空気圧を調整する可能性もあるから、それも合わせて低転がり抵抗を体感できる可能性は高い。
アクセルオフの時、どこまでも進んでいってしまう感覚、こちらもうまくすれば体感できるかもしれない。
ただし発進時も減速時も普通乗用車のように大きく変わるわけではない。やはり小さくて細いタイヤ、いくら設置圧は高いとかいったところで、もともと路面との設置面積が小さいわけだから、そもそもの抵抗自体が小さい可能性が考えられる。
加えて、減速時は乗用車よりエンジン回転数が高めで、エンジンブレーキが強め。どこまでも転がっていっちゃいそうというには無理がある。
軽量だから小さなタイヤで大丈夫なのが軽自動車。流石もともとの素性がスペシャル。お財布も廃タイヤ処分も普通のタイヤで充分に無駄は少ないでしょう。
ミラココアのタイヤをPZ-XCに交換して2年が経過。その間、リフレッシュに関するメンテナンスは何も行っていない。車検を一回、ディーラーで通しただけ。
そんなミラココアを久々に運転すると、印象が全く異なっていた。PZ-XCに変えてフィールが変わりすぎて困ったのがウソのよう。中立付近には大きな無反応地帯が出来て、直進力もSATも弱い。なんというか、ローキャスターの軽自動車みたいなステアフィールに。
乗り心地は相変わらず固めで、「如何にもエコタイヤを履いた軽自動車」みたいな乗り味。
これはどうしたことだろう?サスペンションのゴムブッシュが劣化したか、それにより特に動的アライメントが変化したか、ショックアブソーバーが劣化したか、タイヤの特性変化以上にクルマが劣化した様子。このミラココアは新車から5年/走行2万km台。この辺りが軽自動車の製品寿命が短いといわれるところか??走れないワケじゃないけど質感がものすごく悪い。
タイヤチョイスによる乗り味の変化は大きい。しかし軽自動車では、クルマの状態変化による乗り味変化はタイヤどうこうより大きい可能性がある。
総合すれば、ずいぶんと固いタイヤだなというのが最も大きな印象。タイヤを第2のバネだと考えれば、バネレート1キロアップといった表現もあながち間違いではないかもしれない。
これに合わせてステアリングレスポンスも上がっている。自動車の状態が良い状態ならば、また丁寧なハンドルさばきを心がければ、充分運転しやすいと思う。ミラココアとの組み合わせ限定でいえば、ただ落ち着きがないだけのタイヤとは違う。
燃費性能については、ブラシーボといえばブラシーボレベル+アルファ程度の差。軽自動車には最初からそれなりのエコタイヤが付いている事が多いし、その他理由は上記で述べた通り。厳密に計測すれば違いはあるかもしれないが、タイヤ空気圧だってシビアに同一条件にしなければ、空気圧変化による差の方が多いかもしれない。
エコピアPZ-XCを買ってタイヤ代を燃費で稼ぐというのは、微妙なところでしょう。 耐摩耗性や運転方法による差を考慮すると難しそうな予感。
今回、純正装着タイヤと同一サイズでの比較なので、タイヤのキャラクター以外に変わった部分はなし。極微少なサイズ違いはあるはずだが、見た感じでは目立った差は感じない。
それでいて、大きな変化を感じられるということは、お金を出してタイヤを交換したことに対して一定の満足感は得られると思う。なにしろエコピアPZ-XCは、系自動車用としてみればプレミアムタイヤといっていいクラス。好みに近づいたか離れたかは別にしてみれば、変化があるのは良い点です。
ECOPIA PZ-XC、市販の騒音計を利用し、ノイズを計測してみました。単位はdB。(dBについてはネット検索して下さい)。
騒音計ということで音圧に対して補正が掛かっていますが、人間が感じる不快さとは違います。耳障りな音とか気になりにくい音とか、そういった感覚は含まれていません。
タイヤ空気圧が高いと、騒音(ノイズ)は大きめになる傾向があります。計測時はメーカー指定空気圧。ただしタイヤが異なれば最適な空気圧も異なるはず。走行の質感優先ならもう少し空気圧は下げたい。
他のタイヤ、他の車種でもテストを行い、データを集めています。
自動車クルマの評価評論・比較レビューの間違いいっぱいの自動車選び。独断と偏見による5段階評価を続けています。
「エンジン質感」「駆動系質感」「足回り質感」「内装質感」「外装質感」「快適性」「コストパフォーマンス」
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