ゴルフR試乗レポートP2/ハンドリングやDSGの進化

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乗り心地や燃費、エンジン質感評価・間違いいっぱいの自動車選び
 

(2015年記事 ゴルフ-R
著:元自動車整備士&ヒラリー男爵)

VW
  • グレード:“R”
  • 型式:AUCJXF
  • 車両価格:510万円
  • デビュー年:2014年2月〜

VW ゴルフR(7型)・試乗インプレ「2」

間違いいっぱいの自動車選び、当ページ試乗車は、VW(フォルクスワーゲン)のゴルフR(7型)。車名がゴルフRでそのベースグレード。通称「ゴルフ7」と呼ばれる7世代目の上級車。前ページからの続きです。

当ページは2ページ目です。「ハンドリングやミッション、ブレーキについて」などを掲載中。


  1. 分割page - 7型ゴルフR「1-1」・試乗車とエンジン
  2. このpage - 7型ゴルフR「1-2」・ハンドリングやミッション、ブレーキ
  3. 分割page - 7型ゴルフR「1-3」・内装と快適性能
ゴルフR内装1ゴルフR内装2

試乗:ハンドリングなど走行感覚

メーター

電子制御な装備が満載なのに意外なほど自然なのが7型ゴルフR。電子制御デフ「EDS」とかコーナー内輪にブレーキを掛ける「XDS」とか、制御が多彩な4WDとか、さらには可変レシオステアリング(プログレッシブタイプ)まで。

余計なモノ付ける時には自然に感じるだけの調整がされてなければ価値はゼロ。現時点で感じる評価としては7型ゴルフRはけっこう自然。

コーナーでの印象

タイヤフロアとリアデフなど

ゴルフRのサスペンションは想像以上によく動く。固いけどシナヤカとかいうより、とにかくロールにピッチ、ボディが動く。動くと言っても減衰力はしっかりしてるから、ゆっくりした挙動で動く。足の固められた国産ミニバンに乗り慣れた方だと、こんなんでいいの?なんて感じるかもしれないが、すぐにこの方が運転しやすいのに気付くだろう。

郊外の一般道で少しスポーティな走行(全開、ブレーキ、ステア、全開)を楽しむ程度では、とてもアラなんて見えてこない。コーナー途中でアクセル踏み込む程度ではなんの刺激もないといった方が良いくらい。アクセル全開のままハンドル切ってみても、普通の速度なら普通のクルマよりよほど安定してる。切り増しだって十分に許容してくれる。こういうのを懐が深いと表現したらいいのか。

旋回に減速の挙動を加えてみる。ゴルフRは想像するより前後左右の挙動が発生するから、例えばフロントタイヤへ荷重過多かなっていう負担も、ラクに掛けられる。普通なら荷重オーバーなんてイヤなフィールしか感じないものだけど、素直というか人工的というか、ブレーキ掛けながらハンドル切っても、コジッてる感が少ない。

こんな感じなので、少しペースを上げたくらいだと、ウチに入る感触とか、外に進みたがる感触とは、そうした感触は感じられない。電子制御のクセなんて気にするのは制限速度をオーバーする領域に入ってからみたい。

加えて、ドライバーに刺激も伝えてこないから、ものすごく余裕に適切に操作できる感がある。ビビリがあると適切なタイミングや操作スピードがずれちゃうからね。

ステアフィールが凄く良い

ステアリングステアフィール、ハンドルを切った時の感覚を表す言葉。で、7型ゴルフRはこれが凄く良い。走行モードを「ノーマル」にしていれば操舵力も重すぎず、滑らかさだって悪くない。それでいて路面の感触も伝わってくるし、曲がろうとする感触をドライバーに伝えてくれる。さらにステアした瞬間の反応がクルマのバランスと気になることもなかった。

ビックリなのは可変レシオをもつステアリング。切り込むに従ってクイックなギヤレシオになるタイプだ。試乗した瞬間から全く違和感なく、すぐに全開で走りたくなるこの自然さ。ただのクイックなステアリングという感じで違和感ない。これなら十分価値がある。どちらかといえば助手席からドライバーのステア裁きを見てる方がビックリした。

スイフトでも採用される可変ギヤレシオのステアリング、スイフトでは慣れるまでに時間が掛かったのが忘れられない

実際の所、”面白み”を感じるというより”すごさ”を感じながら走行したわけだけど、このクイックなギヤレシオによって、カリカリに走らなくても楽しめる印象がある。通常走行だって楽しいと言ってもいい。クルマの挙動を楽しめなくても、スポーティに走ってる感。しかも超安全。

こうした部分がね、クルマにすぐに馴染めたり、もっと走りたいって思える要因だと思います。

体に伝わる情報量を増やしたければ、シート交換

ゴルフRのシートは柔らかくて滑りやすい本皮シート。未確認ながらナッパレザーという感じだ。旧世代の固く滑りにくい実用性重視の本皮シートと比較すれば、グッと質感を重視したタイプ。普通に考えればもちろん立派なレザーの方がいい。しかしゴルフRのキャラクターに合っているかと問えば、それはクエスチョンマークいっぱい。

滑りやすく傷もつきやすいというのは、この手のモデルには不向きなのでは??
VWの場合、標準では皮の種類は選べない

シートの重要な機能として、クルマの情報をドライバーに伝えるというのがある。
この点はどうしてもアフターパーツの交換用シートに及ばない。だからインフォーメーションを重視した設計のレカロシートなんかに交換しちゃえばいい。そうすればゴルフR、「スゴイ」という印象が「タノシイ」に変わるかも。ステアリングには路面の感触が伝わりやすいから、シートを交換すれば、リアのフィールも感じやすくなり、より走りやすく、気持ち良く、変化が得られる可能性。

レカロシート

この点で選択したいレカロシートは、「SR-3」か「SP-J」のシリーズ。

何もホールド性や長距離耐性だけがレカロの魅力じゃありません。

VWの他車と比較してみれば

同じようなエンジン&ミッションを搭載するザ・ビートルターボやシロッコRと、ハンドリングなどコーナーリングに関する部分を比較してみる。

ゴルフ7・R7型ゴルフR、意外なほどには上級車的感覚が強い。コンパクトスポーツの感触ではなく、涼しい顔して速い高級車のスポーティモデルみたいな味付け。
また3車の中でドライバビリティは圧倒的に洗練されてる。電子制御といわれる装備も充実で、コストパフォーマンスに関しても頭一つ抜けてる。

ビートルターボそれと比較すると、ビックリするほどヤンチャ坊主なのがビートルターボ。可愛いデザインなんてエクステリアだけ。デートカーや人生最後のクルマとしてチョイスすれば、驚くほどの個性の強い乗り味にビックリすると思う。
アラっぽいとか感じるかもしれないし、硬派と感じるかもしれないし、刺激的で楽しいと感じるかもしれない。

シロッコRまたシロッコR。コーナーを走る楽しみで比較すればシロッコRが一等賞。凄さはゴルフR、楽しさはシロッコR。FFで4WDのゴルフRと同価格なのはダテじゃない。クルマからの情報豊富、アクセル踏んで内側に進もうとする、速度にかかわらず同じようなステアフィール。
快適なドライブに利用しようと思えば、3車の中で最も神経質。遅いと評価されるのがちょっと?目一杯走ればそんなに遅いということもないと思うんだけどなぁ。

ミッション”DSG”も進化

ミッションは6速DSG。DCTの仲間でデュアルクラッチ式の、いわゆる2ペダルMT。自動MTなんていわれる場合もある。基本的にはMT。クラッチ操作が自動になって2ペダル。手動で変速するだけでなく、変速も自動でこなしてくれる「D」レンジもある。輸入車好きならずとも最近じゃお馴染みですよね。

シフトセレクター

して、CVTが進化したらATも進化して、DCTも進化する。
ミッションはモデルごとというより年々進化してる部分。

で、今回のDSG、かなり良くなりました(旧モデル比較)。

DSGの変化なのかスロットル特性の変化なのか、まずスロットル特性が大幅に扱いやすくなった。これだけ大きなトルクを持つエンジンなのに、従来はマツダ車もビックリな早開き特性。巡航中なんてアクセルペダル開度5%あるかどうか。滑らかに運転しようと心がければ、出だしも再加速も疲労が半端ない。

そんなスロットル特性、普通に穏やかになり、特に市街地で扱いやすく変わった。コンパクトカーよりの特性がまともな大排気量車にかなり近づいた。出だしはマイルドに扱いやすく、同乗者に気を遣った運転も大丈夫。人によってはかったるいなんて思うかもしれないけど、それは踏む量やスピードをコントロールすれば良いだけ。洗練されたと言い換えてもいい。

走行中、常時マニュアルモードでシフトしていれば、唐突なトルク変動とかショックに悩まされる事はない。1速固定だって滑らかに走行しやすい。また、レースモードや「S」レンジで走行してもいい。

「D」レンジで走る通常走行。良くなったとはいえここは今一つ。DSGは飛ばしシフトをしてくれず、燃費重視の巡航中からの再加速時は、イヤな感触を伴う。やはり急激なアクセルレスポンス変化により、思った以上のショックを伴って再加速を始める。それなりに踏み込んであげないと再加速しないからね。

例えば前の信号に黄色になりそう。いけないけど後ろのクルマを考えれば加速しなきゃいけない時もある。そんな時は実際以上に空走感があり、突如、加速を始めるような感じが強い。他の6速DSGよりは良くなったと言っても、やはりもう少しね。これなら5速の方がいいと思っちゃうくらいだ。

ゴルフRメーター1ゴルフRメーター2夜間

ブレーキ、昔ながらのクセがある

欧州車のブレーキも日本車的扱いやすさが重視されてきている中で、77型ゴルフRのブレーキは昔ながらのクセがある。

ペダルレイアウト

6型ゴルフなどでもそうだった、初期が効きすぎるタイプのブレーキ特性。いわゆるカックンブレーキだ。何も考えないで踏み込めば、コーナー手前でカックンとノーズが下がる。縮み側減衰力がしっかりしたショックアブソーバーを持っていても、素早くノーズが沈むくらいのブレーキが掛かる。

初期が強い上にペダルの踏み込み剛性は高くない=軽め。この辺のバランスがちょっとね。
なれればどおってことないレベルならいいけど、やはり気になる。もし低グリップのタイヤを履いたら、気になってしょうがないかもしれない。

ブレーキ、それ以外の部分はフィーリングよし、初期制動力の強い部分より先ではコントロールしやすい。伸びも縮みも減衰力の出ているショックアブソーバーがしっかりサポート。

VW ゴルフR (7型)

フォルクスワーゲン

Golf (ゴルフ7型)

  • テストグレード:“R”
  • ミッション:2ペダル自動MT(DSG)
  • 年式:2014年
  • 価格:540万円

当記事は「元自動車整備士」「ヒラリー男爵」が お届けさせて頂きます。
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フロアはけっこう丁寧にフラット。



アクセルペダルはつり下げ式になった。レイアウトは国産FF車より、アクセルペダルがちょっと左寄りかな。


クルマからの情報量って、運転する楽しみのひとつ。シートの衝撃吸収性が良くなると、情報はつたわりにくい傾向。そこでレカロ、この点が優れた品番がおすすめ。



ゴルフRとゴルフGTI。さりげなく差別化が図られている。

辛口試乗レポートと合わせ、独断と偏見による5段階評価。同価格帯の車との相対的評価を掲載。

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試乗比較しにくい中古車購入の時こそ、中古車購入時にも役に立つレポートを送り続けて16年。これからもドライな試乗レポートでお楽しみ下さい。