ザ・ビートル・ターボ/P3・走行感覚と内装

試乗比較、中古車選びにも・メーカー別「フォルクスワーゲン」
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乗り心地や燃費、エンジン質感評価・間違いいっぱいの自動車選び
 

(2015年記事 ザ・ビートル・ターボ
著:元自動車整備士&ヒラリー男爵)

VW
  • グレード:“ターボ”
  • 型式:16cpL
  • 車両価格:370万円
  • デビュー年:2013年10月(追加)

VW ビートル・試乗インプレ「3」

間違いいっぱいの自動車選び、当ページ試乗車は、VW(フォルクスワーゲン)のビートル(16CPL)。グレードは「ターボ」。通称「ザ・ビートル」と呼ばれるビートルに追加された2000ccエンジン搭載車。
比較と評価は、筆者が現在日常的に利用しているVWシロッコRや5型、6型ゴルフを始め、7型ゴルフRやポロGTIあたりを対象に。前ページからの続きになります。

当ページは3ページ目です。「走行感覚と内装、ラゲッジスペース」などを掲載中。


  1. 分割page - ビートル・ターボ「1-1」・概要と快適性(乗り心地等)
  2. 分割page - ビートル・ターボ「1-2」・エンジンやミッション
  3. このpage - ビートル・ターボ「1-3」・走行感覚と室内質感等
ザ・ビートル内装1ザ・ビートル内装2

試乗:ドライバーの走行感覚

室内・助手席側から

走り出すと車体が発する振動やノイズ、路面からの衝撃により、荒さやある種のレトロ感にも似たヤンチャな印象を受ける。これがビートルターボの長所であり短所であるわけだけど、ハンドルを切っても同じようにヤンチャな印象を受ける場面があったりする。

ステアリング中立付近の操舵力は軽く、それでいて不思議なほどに直進性が高い。さらにわずかな舵角から反応がある。新車時装着されるタイヤ、スポーツコンタクト3はそこまで直進性が強いワケじゃないから、やっぱり流石のVW流。

しかし他のVW車と比較すると、ビートルターボのそれはちょっと不自然に感じてしまう。ゴルフやシロッコでは中立付近に少し無反応地帯があるような、扱いやすいイメージがある。ハンドルを動かした際にはどことなく、ノーズが動こうとするフィーリングをドライバーに伝えてくれる。

ステアリング中立付近から先の、緩いコーナーで使用する舵角まで含め、ビートルターボは妙な安定と妙な軽快さで立派に感じたりチープに感じたりを繰り返す。無理にヒラヒラ感を演出したのか疑ってしまうような感じ。
ゴルフが元々、重厚感と安定性の高い乗り味なわけで、ビシッとヒラヒラを無理矢理ミックスさせたような、そんなキャラクター。
いくらコンパクトといえど、1380kgという車重でヒラリヒラリはちょっと厳しい?個人的にはいまのところちょっと馴染めず。率直に言えば気持ち悪い

リヤサスペンション交差点やヘアピンコーナーでハンドルを切り込むと、ガシィと操舵力が重くなる。235幅のタイヤがダイレクトに感じるほど、パワステの効きは弱い。ワインディングでは筋トレ気分で汗かけるw

てなかんじなので、上級指向のコンパクトカーを無理矢理ヤンチャにしたようなイメージ。これがビートルの特徴なのか、長所であり短所であると思う。何も考えずにタイヤキーキーいわせて走りたいような、オモチャとしてはピッタリかもね。

試乗:内装(フロントセクション)

ダッシュボードエアコン操作部

「地味&古ぼかしい」という印象と、「派手だね」という印象を両方感じるのがザ・ビートルのダッシュボード。ちなみにザ・ビートルでは一輪挿しは廃止とのこと。

画像右はセンタークラスター下部のエアコン操作部。全体の造形はノッペリ感が強く、特にセンタークラスター下部なんて、20年前のパーツをそのまま流用しているみたいに思えてしまう。カッコ良く表現すればレトロチックというんだっけ、未だに根強い人気を誇る昔のビートルの影響だね。

同じようにメーターデザインもレトロチックになっている。グラフィカルな液晶表示部が現代のクルマをアピールするものの、デザインはシンプルさを強調。大きなサイズでセンターに座るスピードメーターを始め、ただの国産コンパクトカーしかしベースグレードを思い出す。売れ筋の軽自動車の方が立派に感じるくらい。

ダッシュボード素材感・遮音性は立派

何も軟質パッドだから高級なんていうつもりはありません。立派と感じるのは走行中に振動しにくいという部分。物には固有振動数というのがあって、振動しやすい周波数があるわけだけど、走行中のノイズなどを考えればダッシュボードは重量があった方が耳障りなノイズになりにくい。音=振動ね。

国産車の低〜中価格モデルでは往々にしてダッシュパネル素材が軽く、薄めの場合が多く、走行中に遮音しつつもスピーカーになっている。簡単に言うと、走行ノイズ拡声器だね。奥行きある立派な内装デザインのクルマほどその傾向が強い。助手席前のパネル、実は制振材塗布で効果の高い場所だったりする。D.I.Y.なら鉄板よりパネル裏にがんばるとOK。

ビートル、ここはむやみにレトロ感を演出してるわけじゃなく、振動しにくい材質とか形状とお見受けしました。面積が小さいのも関係してるはず。輸入車の内装は質感高いという評価は、こうした見えにくい取り組みも評価されてるんだと考えています。

光沢パネルは積極的に評価したい

光沢パネル

こんな感じで中途半端なレトロチックが目立つザ・ビートルのダッシュボード、最大の特徴はビッグサイズの光沢パネルが採用されていること。

左の画像は助手席前〜ドアトリム。曇りの日に、しかも木陰で撮影した写真なんだけど、かなりの光沢なのがおわかり頂けると思う。乱反射防止って何??みたいなね。

ザ・ビートルターボに試乗して始めに感じたこと。
この光沢パネルはスゴイ!商品化して発売するVWがスゴイ!

ドアトリム

実際に運転すると、目障りなのは想像の通り。パネルは上に向かって角度がついてるし、盛大に景色が流れる。でもね、そんな問題はガマンすれば済むこと。ビートルはある種のジョーク車であることを忘れちゃダメ。無くなったって困るクルマじゃないし、逆に遊び心が抑制されれば、つまらないクルマが増えるばかり。
今回体験出来なかったけど、イルミネーションの中を走ったら、キレイっぽいよー。

ビートルは実用車じゃありません。こうした試みは十分に評価し、特殊なクルマの演出だと考えたいと思います。それにしても実用性無視、この光沢パネルで市販できるVWの英断には拍手を送らせて頂きます。

※筆者ヒラリー、20才の頃はパネルの塗装をがんばったりした経験がある。エナメル調の室内とか好みです。

昔、日産のラシーンというクルマでも、反射防止を省いたクリア素材を使用し、レトロ感を演出した例があるという。しかしそれは、あっという間にクルマが消滅。VWは末永くがんばって欲しい。

リアシートやラゲッジスペース

別に2シーターだって問題なし!ハッチが開かなくても問題なし!現代のビートルのポジションはそんな感じだと思うんだけど、一応リアシートは付いてます。また開閉にはコツを要しますが一応ハッチを開けることはできます。
付いてるし開けられる、まずはこれだけでも感謝しなければなりませんね。

リアシート

リアシート1リアシート2

リアシート、人が乗る場所というよりは荷物置き場ですね。もしリアシートを利用しようとすれば、フロントシートの乗員が前に寄らなければなりません。ドライバーの後ろは飽きらめた方がいいです。

上の画像右ですが、なんとドリンクホルダーが付いてます。大事な事なのでもう一回言います。貴重なスペースを利用してドリンクホルダーが付いてます。
ドイツ人て大柄じゃなかったの?蹴飛ばされるのが目に見えてます。合理性で考えれば、どうせ乗れないんだから邪魔なだけ。

緊急時の乗車方法、これで走って良いのか?

リアシート3

リアシートの頭上が不足したら、ハッチを開けちゃえば良いことに気付いた。リアシートの頭上はもう全然ハッチゲートの守備範囲。

昔、ハッチを閉め忘れた1時間のドライブに行ったことがあるんだけど、スモークガラスが無くなり後方視界が良かったのを思い出したw

ビートルももし、ハッチゲートを閉め忘れたとすれば、それは交通違反とかになるのかなぁ。詳しいことはお調べ下さいませ。

ラゲッジスペースについて

ラゲッジスペースラゲッジスペース・アンダー

意外に使いやすかったラゲッジスペース。おまけというよりは普通に使えるだけのスペースが用意されていた。想像以上に奥行きがあり、イコール床面積が広かった。天地方向はそれなりだけど、多くの場面で天地方向なんてどうでもいい。積み上げれば入るなんて、余裕が無くて貧乏くさいし、そもそも心理的に抵抗感がある。

ゴルフバッグを積みたい?練習用バッグでも横積みは無理でしょう。リアシートを倒して縦に入れて下さい。

ハッチゲート開閉

ちょっと気になったのはハッチゲートの開閉。いつものVW車らしく、同じ感覚で開けるんだけど、ここのフィーリングが良くない。

キャッチャーのポップアップが弱く、開いたと思えば引っかかってる。締めて開け直そうと思えば、閉まったかどうかがわかりにくい

とりあえず覚えたコツは、丁寧に開けるなんて考えず、一気にガシッと開ける。締める時には育ちの悪さなんて気にせず、力を入れて締める。

ドアの開閉とかハッチの開閉って、育ちや物の扱い方がわかっちゃう大事なポイントだけど、これだとしょうがない。

ドアポケットはゴムの弾力でホールド

5型ゴルフからの世代、ちょっとドアポケットが使いにくかった。幅は広いんだけど底が浅く、しかも底面が大きく前傾。つまり傾いてる。ペットボトルのドリンクもなんとか置けるとかそんな感じで厳しかった。

ザ・ビートルのドアポケットはご覧の通り。

ドアポケット1ドアポケット2

ゴムのベルトが付いていて、弾力でホールドするタイプ
試しに、手元のジュースやタバコ、ポケットティッシュ、小物入れを入れてみた。

試してみた感じ、あんまり小さな物は向きません。ライターとかね。下の隙間から落っこちちゃう。逆に大きめのコンパクトデジタルカメラなんかはゴムの恩恵を受けられる。でもやっぱり一番良いのは、太めのジュースだね。ホットコーナーにある大きなサイズのコーヒー(アロマブラック)とか、あの辺が起きやすかった。

機能的には使えればなんでも良いんだけど、ちょっと珍しいのでご紹介〜。

ザ・ビートル内装3ザ・ビートル(ターボ)のメーター

ザ・ビートルターボ総評

ボディデザイン・サイド

ザ・ビートルターボに試乗し、このクルマについて連日考える。そうしてたどり着いた結論は、やはり真面目なクルマ選びの主役じゃない。無駄が平気な、ある種の豪快さがある人間じゃなければ買えないなと。

同じご予算で立派なクルマも買えるし、内容の優れたクルマも他にある。そんな中でこのクルマを選択する、それは「質感」ではなく「華」にお金を出せると言うこと。とてもすばらしい事だと思うし、自分もそんな選択が出来る人間になりたいと思います。

走行性能を重視したクルマがよく”遊びクルマ”なんていわれるけど、走行感覚に個性を持たせてる部分ではビートルも一緒。370万円のオモチャクルマです。もしベーシックな1200ccモデルを選択すれば200万円台後半になるけれど、あっちはあっちでターボにはないチープ感がある。前後左右の揺すられ感とかね。

もう一つ、VWがこんなに遊び心を表に出すメーカーとは思ってなかった。だって7型ゴルフみたいなクルマを作るメーカーだよ。ビートルはマツダとかスバルとか、いやそれ以上のノリの良さ。内装の思い切りもそうだし、わざとチープ感を出したような乗り味の思い切り。強いトルクステアにハンドリング感覚、ノイズや振動、乗り心地などなど。やっぱりこんなクルマがなきゃタクシーで十分てことになっちゃうね。
わざわざ高いお金を出すのなら、真面目なクルマ選びはつまんない。また他車にはない魅力を持つクルマを選べば長く乗れる。

ということで見た目のデザインだけでなく走りの個性も持ち合わせたクルマ、それがザ・ビートルターボ。ゴルフ7のボディデザイン違いじゃないので、そこはお気を付け下さいませ。

VW ザ・ビートル

フォルクスワーゲン

beetle (ザ・ビートル)

  • テストグレード:“ターボ”
  • ミッション:2ペダル自動MT(DSG)
  • 年式:2014年
  • 価格:370万円

当記事は「元自動車整備士」「ヒラリー男爵」が お届けさせて頂きます。
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ルーフ前寄りについてるルームライトとサングラスホルダー。ホルダーは開閉式ではなく穴が開いてるタイプ。





ゴム製のベルトでホールドするタイプのドアポケット。ジュースがちょうどいいくらいのテンションはあって、緩くはない。



ハッチゲートの開閉はこのように。


辛口試乗レポートと合わせ、独断と偏見による5段階評価。同価格帯の車との相対的評価を掲載。

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