トヨタ・ヴェルファイア/辛口評価の試乗レポート

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乗り心地や燃費、エンジン質感評価・間違いいっぱいの自動車選び
 

(2014年記事 トヨタ ヴェルファイア
著:ヒラリー男爵)

トヨタ
  • グレード:“2.4Z”
  • 型式:ANH20W
  • 車両価格:330万円
  • デビュー年:2008年〜

ヴェルファイア・試乗インプレッション「1」

間違いいっぱいの自動車選び。当ページ試乗レポートトヨタ・ヴェルファイア(ANH20W)/グレード「2.4Z」2013年モデル。2代目アルファードの兄弟車としてデビューしたトヨタのフルサイズミニバン。アルファードがトヨペット店でヴェルファイアがネッツ店。エクステリアの1部を除き同じクルマです。


  1. このpage - 試乗「1-1」・エンジン・ミッション特徴と走行感覚
  2. 分割page - 試乗「1-2」・リアシート含む乗り心地や静粛性の評価
  3. 分割page - 試乗「1-3」・他車比較と3500ccモデル、オプション品の話題

ベルファイアの内装1ベルファイアの内装2

試乗車概要

トヨタ

トヨタ・ヴェルファイアは全長4865ミリの3列目まで使えるミニバン。驚くほど全長が長いわけでもないのに、コンパクトクラスからは比較しようもないほどの室内空間が大きな魅力です。ノア/ヴォクシーあたりの使えない3列目とは全く異なり、それこそ日常的に3列目を利用することだって可能。

それでいてベースグレードは車両価格300万円という絶妙な価格設定。エスティマと比較してもヴォクシーの人気グレードと比較してもお得感の高い値付けといえるでしょう。絶対的には高額ですが、高くて立派?いえいえ実は「ちょっとがんばる価値」が大いにあるクルマなんです。

さらに!都内住宅街の車庫に停まっていても違和感は全くありません。フロントとリアは見た目だって十分立派。そもそもサイズが大きい上に奇をてらったデザインでないから風格がある!

試乗車は2.4Zというグレードで、黒系の内装にエクステリアデザインが装飾されたグレード。エンジンは2400ccで価格は335万円。走行距離は約5000km
そのほかには電動スライドドアが付いて、大きな画面のHDDナビとバックモニター、電動スライドドアが付いてお値段は値引き込み総額350万円。

高級車として比較評価??

パッと見は高級に見えるヴェルファイア。しかしこのクルマを高級車として比較したらちょっと可哀想。

だって考えてみて下さい。これだけのボディサイズに3列シート、1900kgという重量で300万円なんですから。車体が大きければ鉄もプラスティックも吸音材も多く必要ですし、強度だって強くしなければなりません。シートだって安くはないでしょうし、タイヤだって高額なタイヤが必要です。
さらには、組み立てるマンパワーだって屈強な戦士を揃える必要があるはず。

つまりは、200万円級のミドルクラス並みの内容が基準点でいいんじゃないかと。トヨタでいえばオーリスとかプレミオあたり。そう、よくよく考えれば普通のFF車として試乗すれば最低限の内容で普通の評価。
立派に見えるのと所有満足度の高さ、数値に出来ないこの部分はプライスレス!オマケとして考えるとちょうど良いんです。

インテリア(内装)

エアコン操作部

コンパクトカーでも軽自動車でも外観の質感には抜かりがなく、どんなクルマでも相応の立派さを感じる時代、車格なりの満足感を見いだす場所といえばまずはインパネ。

ヴェルファイアのドライバーズシートに収まり周囲を見渡せば、左右に広いフロントガラスから自然と高級感を感じる。これは助手席のパッセンジャーも同様でしょう。決して大きい=高級じゃないけれど、こと日本では小さい高級車が成功しないわけで、自然にこういった感覚を感じるとしてもまだ矯正する必要も無い。
そういえばアメリカのシボレーアストロ、高級車ではないけれど、やはり窓がワイドで特別感を感じた。これにジャズでも流せばそれだけでスペシャルな気分に。人間の感覚は気分が重要というわけだ。

冷静に各部を見れば、ミドルクラスセダン程度の質感が備わっている事がわかる。ミドルクラスだって年々立派に進化しているわけで、ついでに価格も上がっているから、2世代前くらいのミドルクラスから見ればベルファイアの方が立派だし、もちろんバンらしさを感じる部分はほとんどない。

「演出」「素材感」合わせて考えれば、250万円級セダンの質感という評価が妥当かな。具体的にはマークXやスカイラインからの乗り換えだとトントン。コンパクトカーや200万円級ミニバンからの乗り換えなら満足感あり。そして独身的なアクティブさはライバルのエルグランドが一歩リード。

試乗:エンジンとミッション

エンジンルーム近年では別々に評価することが難しくなっているのがエンジンとミッション。エンジンで動力を作り、ミッションが動力の効率を高める。今までも協調制御されていたらしく、CVTではもはや1部品として考えたいほど。

ベルファイアでは4気筒2400ccがCVT、6気筒3500ccが6ATと組み合わせれる。

加速感を考えるなんてナンセンス?

今回、メインの試乗車は2400ccのCVT。CVTは「加速力重視」や「余裕と燃費を重視」とか「自然な運転感覚重視」などメーカーやモデルによって味付けが異なる。だから排気量から直結する最大加速力でさえ、予想が当てにならない。
また常に低回転をキープして余裕のドライブをしたくても、滑らかな余裕の加速をしたくても、それはドライバーがアクセルワークで調整しなければいけないし、クルマのクセに合わせる必要がある。

CVTのキャラクターはプログラム次第?? エンジンの得意な部分を強調し苦手な部分を隠すという仕事もあるでしょう。つまり、最大公約数的な感覚を想定して調整され、何も感じないか極端な好き嫌いがでるか。

それでも気になる加速力

前置きが長くなりました。
上記踏まえるとエンジンのパワーや特性を比較評価するのはナンセンス。しかしそれでも気になる加速力。いや男なら気になっちゃいます。

湾岸道路の1番右の車線を流れる速度まで全開加速すれば、2400ccという排気量のわりに”遅い”と評価せざるを得ない。どれくらい遅いかといえば、アクセル全開のまま「あんなことして〜こんなことして〜ムフフフ」なんて考えながらの人間がビックリしないレベルの加速感

加減速の連続する一般道では、旧型の4ATモデルと比較すれば速度に関わらず加速してくれる。田舎道では、例えばコーナー立ち上がりからのアクセル全開でチェックポイントまで加速すると、マークXジオ基準でウィッシュが時速10キロ下で、ベルファイアはもう5キロ下くらい。ドライバー感覚によるおおざっぱな数値ですみません。

エンジン自体の質感は?

トルクカーブやら低回転時のトルク感などがCVTで調整される時代、エンジンの質感といえば「滑らかさ」「振動」「音質」が重要なポイントと最近筆者は考える。ヴェルファイアの2400ccは2AZという多くの車種で使われるエンジン。従来まで質感低いエンジンだと思っていたし、最初の頃、マークXジオやハリアーの2AZではとにかくガサツでイヤなエンジンという印象しかなかった。

それがいつの間にか改良されたのか、ヴェルファイアの2AZでは印象が異なる。高回転域では相変わらず滑らかとはいえないが、振動と音質に関しては、やっぱり2000cc以下クラスとは違うね!という格の違いを感じる。せっかく高いお金を出すんだから、その分の差はしっかり欲しいものです。
柔らかそうなエンジンマウントと高い静粛性対策でエンジンの印象も変わって感じます。

中国製も話題になるこのエンジン、SAIのそれも新車時にはいい印象だった。中身が改良されたのかマウント類が改良されたのかはわからないが、実用エンジンとして最低限のレベルはあると思います。

CVTのキャラクターは?

シフトセレクター

ヴェルファイアの2400ccモデルのミッション(変速機)は、無段階変速ATであるCVTが採用されている。ヴェルファイアのCVTは、実用的な動力性能を重視したタイプ。ちょっとアクセルを踏み込めば、まずは有効トルクの発生するエンジン回転数まで回転が上がり、次に加速を始める。

簡単にいえば、常にキックダウンするATといったところ。

このタイプのメリットは、エンジン回転数に関わらず同じようなアクセルレスポンスを保ってくれる事。低回転だから大きく踏み込まないと加速しないとか、高回転域に差し掛かると急に加速し出すとか、そうした扱いにくさがない。多くの場面で、だいたい踏んだ量だけ加速してくれる。アクセル開度と加速感の調整をCVTがやってくれているのね。

逆にデメリットとしては、速度と回転数の不一致による違和感が残ること。回転数と速度はできるだけ比例して上昇してくれた方がドライバーの違和感は少ない。また、踏んだ瞬間の加速レスポンスはどうしてもワンテンポ遅れる。
CVTがまだ一般的でなかったころは、速度が上がらないのに回転が上がる状態で、タイヤが滑ってると錯覚することもあった。こうした部分は慣れだね。

ヴェルファイアのCVT、出だしや停止時にギクシャクすることが少なく、試乗時は走行中にカッキンコッキンなんて感じる事はなかった。プログラムによるキャラクターの差はあれど、コンポーネンツは良質だと思う。

最後にシフトセレクター。このクラスとして充分に操作しやすいものだと評価できる。軽い上に節度感あり、スムーズ。操作ミスとは無縁でしょう。あとはもう、Mセレクト部分に吸い込まれ感があれば、触る気持ちよさだって感じられそう。

試乗:ドライビングフィール

タイヤ走行安定性が高ければ、思い通りに走りやすいだけでなく、ラクに運転出来たりするのも大きな魅力。
基本的に車体が大きくなるほど直進安定性が良くなる傾向があるけれど、ヴェルファイアの場合はどうか??

曲がりやすさとコーナーリングフィール

サスペンションが固ければハンドル切るのがラク?横幅が広ければラク??ミニバンはグラグラしやすい???どうやらそんな簡単なハナシじゃないみたい。

ヴェルファイアではハンドル切ればワンテンポ遅れて反応がある。これは欠点ではなくツーテンポ遅れない長所
その後は、どこかからグラッとする感触がドライバーに伝わる。クルマが向きを変えだしたあとだ。
間違いを恐れずにいえばエンジンがグラッと揺れる感触がフロントから伝わってくる。サスペンションのゴムブッシュがつぶれきるような速度ではないと思うし、そういえばエンジンマウントがかなり柔らかめなことは振動の少なさから予想していた。

挙動が変わるとか舵角が変わるとかアライメント変化が伝わってくる感じではないので、気にしなければなんてことない。でもけっこう気になるかもしれないから、試乗時には要チェック。

サスペンションが引き締まっている恩恵として、ハンドルを切ったり戻したりした際の急激な横Gの変化は抑えやすくなっている。思いっきり丁寧なハンドルさばきを強要されるわけでもないのは利点。切り始めも戻し終わりも、どんなに丁寧に考えて運転しても同乗者が不快極まりないクルマ、それこそ昔のレジアスやグランビアなどよりは今風。

通勤や趣味など速度を上げて走る事が多ければ、もっともっとシナヤカかつピタッと揺れを抑えてくれるショックアブソーバーが欲しくなる。

ベルファイアのドライビングポジションベルファイアのメーターパネル

直進安定性の高さについて

直進性の高さについては、ものすごく悪い訳じゃないけど、あまり褒められたものでもない。
しかしトヨタ車全般が苦手とするところだから、その中では良い方。トヨタ車を乗り継いでいらっしゃるのであれば、褒められる部類といっていいかもしれない。

ヴェルファイアは足回りのサスペンションが固いけれど、ゴムブッシュだって他のトヨタ車のように柔らかくない可能性がある。ブッシュの柔かさで小さなコツコツを吸収しているクルマだと、クルマが車線のどの辺りにいて、どっちに寄ろうとしてるかがわからず、さらに微量の修正が2テンポ遅れる。

これらが合わさり合ってフラフラするか神経使う好ましくない車種になるわけだ。

ヴェルファイアなら視界とドラポジを含め、多車線道路でもビクビクするほど酷くはないし、周囲に気を付ければジュースは飲めるしタバコの火だって消せる。100点満点中40点でギリギリ合格。

トヨタ ヴェルファイア

トヨタ

vellfire (ヴェルファイア)

  • テストグレード:“2.4Z”
  • ミッション:CVT
  • 年式:2013y
  • 型式:ANH20W
  • 新車時価格:330万円

エンジン概要

  • 排気量:2000cc
  • エンジン型式:2AZ-FE

その他概要

  • ボディサイズ:4865×1840×1900mm
  • 車重:1880kg
  • 発売時期:2008年〜
  • 新車時価格帯:300万円〜

車両型式

  • ANH20W - 2400cc 前輪駆動
  • GGH20W - 3500cc 前輪駆動
  • GGH25W - 3500cc 4WD
当記事は「ヒラリー男爵」がお届けします
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ライバルと比較しての評価
エンジン質感 5段階評価

同じエンジンを積む他車種より、振動少なめに感じる。マウント柔らかめ?

駆動系質感 5段階評価

マイルドなのは良し。プログラムは余裕がなくせわしない。

足回りの質感 5段階評価

4人乗車以下だと、ただの棒です。軽自動車でも許されぬこの質感。

内装の質感 5段階評価

インパネは平均点以下。うれしいのは間接照明などのおもてなし。

外装の質感 5段階評価

3サイズが見事だからそれだけで立派に見える。多少のバンらしさはご愛敬。

3列目広さ 5段階評価

コンパクトミニバンの2列目より座れる。

お買い得度 5段階評価

クルマはドライバーだけのものじゃありませぬ。同乗者からこそ評価されたいね。


キレイに並ぶ空調スイッチ。リアのエアコンも操作できる。
ただし、走行中に手元を見ないで操作できるのは温度設定くらい。膨らみがある。
押し心地が良くない上にハザードまでココに付いているのは如何なモノかと。
下はさらにスイッチが多いタイプのナビ。



シフトセレクターの操作感は好印象!


ドア内張にはもう少し起伏が欲しいけど、しょうがないよね。



電動スライドドアのスイッチは天井。できればここにも欲しい。
下はハイブリッドモデル。




オプションで灰皿に交換できる。灰皿付き=高級車??意外にも外車には灰皿付いてる。


ヴェルファイアのエンジンルーム。

辛口試乗レポートと合わせ、独断と偏見による5段階評価。同価格帯の車との相対的評価を掲載。

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試乗比較しにくい中古車購入の時こそ、中古車購入時にも役に立つレポートを送り続けて16年。これからもドライな試乗レポートでお楽しみ下さい。