トヨタ・スターレット比較(GT)・辛口評価と試乗

自動車購入の試乗比較、中古車選びにも・メーカー別評価「トヨタ」
自動車試乗比較・評論メンテナンス情報ヘッダー画像
乗り心地や燃費、エンジン質感評価・間違いいっぱいの自動車選び
 

(2011年記事 トヨタ スターレット
著:ヒラリー男爵)

トヨタ
  • グレード:“GT”
  • 型式:EP82
  • 車両価格:147万円
  • デビュー年:平成元年12月

スターレット(GT・EP82)・試乗インプレッション

今回の辛口比較・評価評論、試乗車は、平成初期デビューのスターレット(EP82)ターボ付きのGT

500馬力のモンスターマシンほど速くはないけど、1速全開なんて刺激充分!軽量ボディと出来の悪さで、高出力マシンと同じような刺激がある自動車。
当記事は古いクルマを昔の記憶を思い出しながら書いています。スターレットが販売してる年代は、筆者はまだ免許を取れる年齢じゃなかった。なので新車販売時の比較評価はありません。

スターレットGTのスペック・概要

スターレットは、ヴィッツがデビューする前のトヨタのBセグメント・コンパクトカー。至って普通のボディデザイン&内装デザイン、人畜無害系と言われてもおかしくない、たいした特徴のないクルマ。
メイングレードで搭載されるエンジンは、1331ccの4気筒で「4E」型。ラインナップ中、グレード「GT」はターボ付き。1300ccの低圧縮エンジンにローブストのターボが組み合わされ、車重は830kgと超軽量。(後期型は860kg)。

NAエンジンを搭載する基本グレードのスターレットと比較し、エンジン以外では何が変わったか?
ターボが付いてパワーアップした分、シャシーが強化されたかといえば実はそんなことはなく、サスペンションセッティングによるピッチングおよびロール剛性の強化だけだったような。LSD?そんなもの知らないw。
お約束通り内装はね、ちょっとイメージが変わるよ。

タイヤは標準でブリジストンのポテンザRE050という銘柄。アフターリプレイス用タイヤ(交換用タイヤ)と中身は違うことが予想できる。とりあえず、なかなかリッチでグリップ指向のタイヤが付いた。当時のアドバンや中古のファルケンGRベータなどと交換しながら楽しんだものです。

とにかく超軽量

スターレット(ターボ)の室内

このスターレットの新車販売時期は、平成2年〜7年。筆者はまだ小学生?自動車の安全性が声高々にいわれる前のクルマだから、超軽量が自慢。その代わり、試乗も命がけ・・・。

車重が軽ければ、加速も良く、燃費も良く、運動性能も良いetc、、、ハズなのですが、それは最低レベルを確保できてる場合のハナシ。ボディ/シャシー性能が良い場合だけだよ。ただ軽いだけだと、単純に安定性のないクルマでしかありません。

軽量ならブレーキも有利そうな?いえいえFF車のリアなんてみんな軽量。実際にはほとんどブレーキ掛かっていない。やっぱりね、元のシステムとコンポーネンツ、テスターによる味付けが重要だと、このスターレットGTに乗ると実感できる。

そんなスターレットのブレーキ、もちろん効かないわけではないけど、軽くて不安定なリアは、すぐに浮かび上がってあらぬ方向を向いてしまいます。挙動も早くコントロールは一苦労。下りではなかなかグリップは戻らない。もちろんABSなんてありません。
フロントではなくリアが出ちゃう。国道で真横を向いた時もある。ちょうど目の前はラブホの入り口。勢いでそのままラブホに入った。ウソのようなホントのハナシ。当時の彼女と一緒にね、めちゃ笑ったよ。

軽ければコントローラブルなんてことは全然ない。滑ってる間のタイヤの接地感が重要なんですね。ハイ。

ただただ、加速力だけなら軽量なのが良い方に体感出来る。1速60kmまでの加速なら、それこそ倍の排気量のクルマより速いんです。

スターレットのエンジン

スターレットGTのエンジンは、カタログスペック135馬力と特別高出力なわけでは無い。凄いのトルクカーブ。トルクは2000回転以上のほぼ全域で、16kg近くのトルクを発揮。現代的な特性だね。

スターレット発売当時のターボエンジンとしては珍しく、小型のタービン。試乗してもターボラグはそんなに大きくありません。もちろんターボなので低圧縮、そのため2000回転以下のレスポンスは極端に悪く、ブーストが上がるまでに時間が掛かります。
そして回転が上がってしまえば、アクセルレスポンスはアップ。

ある程度クルマに慣れれば、この段差を先読みして一定の加速力をキープできる。街乗りではアクセル開けて緩めて加速力をキープ。逆に高回転をキープするその領域では、微量なアクセルコントロールにもしっかりトルクが付いてくる。最近の電子制御スロットルよりよほど細かいアクセル調整ができちゃう。

踏み込んだ瞬間は、カミソリのようにレスポンスがいいわけではなく、ジワッグワッと加速し始める感じ。ちょっとジェントルな立ち上がりが、トヨタ車らしいね。2速以上なら不快感はありません。

なお、ターボ車全般の厳しい部分。この回転数によってアクセルレスポンスが変わるのが、ターボ車のデメリット。同じコーナーでも回転数によってアクセルを踏み始めるタイミングを考えなければなりません。

試乗

スターレット(ターボ)のマフラー

スターレットを運転すれば、強いトルクステアで1速なんかは訳がわからぬまま加速。加速力は十分!そして刺激がたっぷり!実際以上に速く感じちゃう。ハンドルはさ、右に左に振られっぱなしだよ。
で、ちょっとラフにクラッチをつないでアクセル全開にすれば、50mだってホイールスピンしながら進む。タイヤはしっかりアフターマーケットのポテンザですよ。

軽自動車と同程度の軽量ボディに、倍以上の出力を持つエンジンを搭載してるわけですから、ある意味納得。じゃじゃ馬と呼ばれた理由は直線でもアクセル全開にすればすぐにわかります。

コーナーではタイヤが普通にグリップしている限りでは、当然普通。しかしいっかい滑り出せば、なかなかグリップは戻らず、神経を使います。同世代のセルシオの方が動きがマイルドだ!車重1700kgくらいの20系セルシオ。

グリップナカナカ戻らず、これはフロントのホイールスピンでも、リアが滑った時でも一緒で、キキッとタイヤが鳴って済むことなんかまずありません。
滑り出したらタイヤのグリップが戻るまで、他のクルマ比較で3倍の時間が掛かります。下りのブレーキングなんて、フルブレーキは相当自信がないとできないですよ。速度が高ければ普通にリアからロック。荷重オーバーでフロントがゴメンナサイになるまえに、リアが伸び切っちゃう。リアにウェイトを乗せた方が安心だ。

しかしこの刺激がスターレットの特徴。できが悪い分だけ面白い。だって、レースをしている訳じゃありませんから。

自分が乗っていたスターレットには「TEMS」という減衰力をスイッチで換えられるショックアブソーバーが付いていましたので、普通とはちょっと違った動きかもしれません。ブレーキ踏むとショック減衰力が高まります。

ギヤ比はロングで高速型

ボディ/シャシー性能に対して大きすぎるエンジントルクとのバランスを取るためか、当時のコンパクトカーとしてはギヤ比はロングで高速型になっています。

具体的には、1速で60キロ、2速で110キロ、3速で150キロがカバー範囲。(おおざっぱな数値)。これでも加速力に問題無く、2速までは加速感と刺激はたっぷり。
開いたギヤ比と広いパワーバンド。ということで、同じく各ギヤのカバー範囲が広い高回転型のNAエンジン車と比較すると、多少なりともギヤチェンジの回数が少なくなり、ミスの回数が減る。楽しさという点では、高回転化による、角ギヤ守備範囲の広さだけどね。

スタートレットにはブースト圧を切り替えるスイッチが付いてる。通常はローモードで走る方も多いらしい。低回転から加速をしなければならないときは、ブーストローモード切り替えスイッチをオフにするように。でないとあんまり加速しません。助手席の彼女との連携が大事。

トルクステアは異常なほど

トルクステアとはFF車の欠点として良くいわれます。これがあるから高級車は後輪駆動という話もあるくらい。

では、トルクステアとはなにか??

ちょっとパワーのあるFF車で、「1速に入れてハンドルから手を離してみて下さい」。ハンドルが勝手に切れる場合がありませんか?
または、「ハンドル切ってゆっくり旋回中、ハンドルを持つ手からチカラを抜いて、グッとアクセルを踏み込んでみて下さい」。ハンドルに余計なチカラが伝わってきませんか?

そうです。これがトルクステアなんです。

スターレットGTで1速でフル加速すると、ハンドルは右に左に揺すられる。私レベルでは、意識して修正している余裕はまったくないので、ドライバーは多分無意識に修正しながら加速することに。
タイヤがポテンザやアドバンクラスなら、一旦グリップして加速し始めれば、回転が上がったからといって急にグリップを失うことはありません。つまりグリップしてからのホイールスピンは起こらないので、しっかり前とタコメータを見て、加速が落ちたところでシフトチェンジを行って下さい。

※低価格なスタンダードタイヤだと、クラッチが滑ったように、速度上がらず回転数だけ上がってしまいます。これはホイルスピンしてる証拠。

リアを重くするとバランスアップ

スターレットの後の世代のクルマ、ヴィッツの時代になっても、短いホイールベースにミッションとエンジンが2階建て構造のFF、そしてコスト重視のリアサスペンション、さらに燃費のために質より軽量が重視されるコンパクトカー。

つまり、質の高い走りにはまったく向いていない基本構造が実用コンパクトカーの特徴です。これは、ヴィッツターボでもコルトターボでも、VWゴルフGTIでも、さらにはVWシロッコRでも一緒、です。残念ながら、実用性最重視で作られたベース車をちょこちょこっと手を加えただけのクルマというわけです。
楽しいかどうかは別の話。でも、もともと技術者が走ることに注力し、一生懸命作った車の方が質が高いのは事実。ここが、ケーハクなクルマと熱意がこもったクルマの違いです。

そんなこんなでこんなコンパクトカーでは、パフォーマンスを犠牲にしてもリヤを重くするとバランスがいいことが普通です。例えば・・・

  1. いつもガソリンを満タンにする。
  2. いつもリアシートの中央に人が座る。
  3. ラゲッジルーム(トランク)に重りを乗せる。

などなど。自分はスターレットを所有していた時、トランク部分にお米30kgを乗せて走っていました。多いときでは外したリアシート部分にプラス30キロの計60キロ。ガソリン満タンはしたことないw。お金無いwww。

ウェイト60kg乗せると、ブレーキ時の安心感が一気に向上。加速は鈍くなってしまいますがガマンして下さい。
またこんなので違いがわかるようになってくると、タイヤの空気圧0.1キロの差も感じられるようになってくるので、コンパクトカーが楽しいおもちゃになってくると思います。

他のクルマと比較すると(加速と減速)

加速は2速までならかなり速い。刺激がある分、実際より速く感じることができます。実際の加速度的にも2速までなら2リッターターボクラスと同様に加速できます。そこから3速に入れると、排気量の大きいクルマにはかないません。「軽くて速いのは出だしだけ」というのがよくわかります。

といっても、当時の平均的2リッターNAクラスと同様にそれ以降も加速できるので、その気になればメーター読み180キロまでは普通に加速します。ちょっとした直線があればこの速度を体感できますが、ブレーキはシビア。ブレーキ踏みすぎればフロントロック、エンジンは止まります。ブレーキ離してエンジン始動しますが、ブレーキだけは余裕を持って是非。

平成6年のマイナーチェンジで フロントのデザインが変わる。 車重も30kg増量。

他のクルマと比較すると(コーナー)

筆者ヒラリーがこのクルマに乗ったとき、比較対象がバイクだったこともあり、クルマはタイヤが滑っても怖くないと思っていました。

しかしその後、コントロール性のいいロードスターやリヤがガッチリと安定したビッグセダン、地面に吸い付くように走るベンツやBMW、様々なクルマを運転するにつれ、スターレットはピーキーだって事に気付きました。

低い速度でタイヤが滑り、ホイルスピンしてしまうフロント。下り坂でグリップを失うとなかなか回復しないリア。スターレットは決して良くできたクルマではありません、しかし刺激は十分、練習用にもちょうどいい。ということでスターレットGTは、他のクルマと比較・評価できるようなレベルのクルマではありません


しかしよく考えたら、1台だけ同じようなクルマがありました。それは「ホンダ・CR-X」。このCR-Xというクルマはスターレットと違い、ホンダが一生懸命に開発。それこそがんばって軽量化し、リアシートのスペースなぞ最小限といったクルマ。スターレットとは志が全く違い、コンパクトカーというよりコンパクトスポーツといっていいほど。
(ハイブリッドのCR-Zと比較しても、あんなケーハクなクルマではありません)

そんなコンパクトスポーツがなぜスターレットの比較対象かといえば、それはやっぱりコンパクトカーの挙動だから。
CR-X、運転の上手な方には問題ないかもしれません。でも筆者ヒラリーレベルでは、コーナーでリアがでてもピーキー。ライン外せば修正がピーキー。下りのフルブレーキは1度知ったら絶対やりたくないレベル。

こちらCR-Xも、コンパクトカーというクルマが持つディメンションだからこその様々な動きを教えてくれます。そして、300キロ出る外車よりもちろん安全。どこでも全開にできます。ということは、メキメキ運転レベルが上達します。

トヨタ スターレット

トヨタ

starlet (スターレット)

  • テストグレード:“GT”
  • ミッション:5MT
  • 新車時価格:147万円

エンジン概要

  • 排気量:1300cc+ターボ
  • エンジン型式:4E-FTE

そのた概要

  • 型式:EP82 前期
  • ボディサイズ:3805/1620/1380mm
  • 車重:830kg(中期以降860kg)
  • 発売時期:平成元年12月-平成8年1月
  • 新車時価格帯:61万円〜149万円
当記事は「ヒラリー」が
お届けさせて頂きます。
ヒラリー男爵

系列サービスでご紹介中!

「自動車保険一括見積り」の比較。見積もりはメールか郵送で安心。
保険一括見積りサービスの比較サイト

系列サービスでご紹介中!

法人、個人事業主の「ETCカード」。複数枚契約が可能。審査無し?
セディナなど法人ETCカード

適合バッテリー

-

インターネットでバッテリー価格を確認
国産車バッテリー
ライバルと比較しての評価
エンジン質感 5段階評価

質感は良くはないけど、当時のコンパクトカーはトルクが付いてくるだけで高評価。

足回りの質感 5段階評価

サスって何ですか?

内装の質感 5段階評価

至って普通。シートは丸。

外装の質感 5段階評価

至って地味。

快適性 5段階評価

静粛性は最悪レベル。シート外せばトラックと変わらない。

お買い得度 5段階評価

ターボ付いても意外と安い。直線の速さと価格で比較すればコストパフォーマンス最高。

スターレット(ターボ)の室内
スポーティグレードということでとりあえず黒いけど、全体的に至って普通。内装を見てもワクワクするような演出なし。あえて言えばシート表皮その他の絵柄だろうか。

スターレット(ターボ)のマフラー
平成初期ころの社外マフラーはとっても静か。見た目だけ。多少ブーストは上がるかと思ったがそれもない。


次の方のスターレットターボ。1速はローモードに固定されてしまう。車重も100キロ増量。だから刺激がない。

辛口試乗レポートと合わせ、独断と偏見による5段階評価。同価格帯の車との相対的評価を掲載。

仕事柄ホンネを書けない?自動車評論家さま。対して閲覧ユーザー減少が怖い私達ウェブ制作者。
私達はアクセスしていただくために、ユーザー様のお役に立てることを優先します。

自動車のイメージ
長所短所を明確に、辛口評価(言いたい放題)
中古車購入にも役立つ自動車評価評論・試乗レポート。同価格帯で5段階評価。
「エンジン質感」「駆動系質感」「足回り質感」「内装質感」「外装質感」
「快適性」「コストパフォーマンス」

総合サイトマップ 間違いいっぱいの自動車選び http://car.oka-hero.co.uk/ 当サイト記事の転載を禁じます。

試乗比較しにくい中古車購入の時こそ、中古車購入時にも役に立つレポートを送り続けて16年。これからもドライな試乗レポートでお楽しみ下さい。