MR2の辛口評価と試乗

自動車購入の試乗比較、中古車選びにも・メーカー別評価「トヨタ」
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乗り心地や燃費、エンジン質感評価・間違いいっぱいの自動車選び
 

(2012年記事 トヨタ MR2
著:ヒラリー男爵)

トヨタMR2・試乗インプレッション

今回の辛口比較・評価評論のターゲット車は、トヨタMR2・ターボのGT-S。リアミッドシップにエンジンを搭載した2人乗りスポーティクーペ。手軽に所有できる趣味性の高いMR2。ミッドシップクーペの試乗記です。

筆者も若かった頃、友人が購入し一緒になっていじってたクルマ。何があっても整備工場やチューニングショップに持っていくようなことはせず、MR2にはとてもお勉強させていただきました。

MR2の内装1MR2の内装2
トヨタ
  • グレード:“GT-S”
  • 型式:SW20 3型
  • 車両価格:260万円
  • デビュー年:-

どんなクルマ?

MR2は「10%の理想と90%の妥協をカタチにしたクルマ」。フェラリールックなボディとミッドシップレイアウト、ターボエンジン、後輪駆動、2シーターという本格スポーツの内容を250万円で売るというトヨタの妥協に妥協を重ねたスポーツクーペ。

基本となるベースは当時のコロナ系。カローラの延長線上と言われています。それに2000ccの「3S-GTE」型エンジンをリアミッドに横置きで乗せています。サスペンション型式はストラット。グレード「GT」系がターボ付きのグレードになります。

試乗レポート(内装)

MR2の内装は、基本的にはシンプルなデザイン。横幅も狭いため特別変わった部分はありません。メーターだって至って普通。
普通じゃないのは大きく盛り上がったセンターコンソール。この中にプロペラシャフトは通っていないものの、ラジエターの冷却水などが通っています。センターコンソールが高い位置にあるため、助手席とのしっかりした壁のような役割もあり、男2人が乗り込んでも意外に快適。そして、シフトノブは横から握れるので雰囲気は良い。

このセンターコンソール部分を除けばデザイン的には普通ながら、よくよく観察すれば質感は結構高く、インパネを触ってみれば軟質ウレタンによるソフトパッドが採用されています。ここまでは200万円台のクルマとして珍しくありませんが、ドアトリムやセンターコンソールなどにも軟質ウレタンが使われており、これは高級車なみの贅沢です。

そしてちょっとした段差ではギシギシいわない内装類。ズシンときてもガチャンとはいいません。コンパクトスポーツやコストダウンが一番目標のクルマの場合、1万キロも走れば内装はガチャガチャ言い出しますから、これはMR2の利点です。余計な事を気にしていると運転が楽しめませんから。
※復筒式を採用した車高調を付けていると段差ではショックアブソーバー内でエアが移動する音(シュゴッ!)がしますが、故障ではありません。

試乗レポート(エンジン)

エンジンはトヨタの悪名高き?3S-G型。長きにわたって生産される、寿命の長いエンジンです。さすがの3Sもリアにあればうるさくないような気もしますが、実際にはけっこううるさく、いつものコモリ音が室内に響きます。ターボということで多少、排気音は静かかもしれませんが、室内がうるさいことには変わりありません。エンジンがもう少し「いい音」なら特別な感じがしてうれしいんですが、ここはやっぱり残念。

加速自体は十分。同じ2000ccターボでも、日産系より多分速いです。その代わりというか低回転でのターボラグは大きめ。巡航時からの再加速では1段ギヤを下げたから加速した方がいいので、低回転で走るクセのある方は要修正を。

リアタイヤにはフロントより太いタイヤがセットされているのにも関わらず、1速2速なら簡単にホイルスピンにもっていけます。やはり腐ってもターボ車。そしてミッドシップならではといえるのは、オーバーを出してもトラクションが掛かります。ホイールスピンしながらでも進んでいきます。強めのLSDを付けたような感じが味わえます。
しかしこれ、低い速度限定です。それから、丁寧な操作限定です。限度を超えると一気にスピンしてしまいます。サーキットでも恐怖を味わえます。

NAエンジンの場合、MR2のボディデザインから感じる速さはまったくなし。ただの2000ccのセダンそのもの。遅い。それでいてガサツなエンジン音が耳障り。アンダーパワーのクルマでドライビングの基本を学びたいとか、常に全開で細いワインディングを走りたいとか、何かしらの目的がなければ、積極的に選ぶようなエンジンではない。素直にターボのグレードを選んで下さい。
(GTかGT-Sというグレードがターボ。GTの方が高い)

試乗レポート(ハンドリング)

ステアリングを回す感覚はFRのセダンとも違う感覚ですが、スポーツモデルのような感覚でもない。適度に重く適度にしっとり、つまり上質な感じです。これはフロントが軽いからしれませんが、決してダイレクト感が強い感じではありません。FF車のように加速中と減速中でフィールが異なるわけでもない。

試乗すれば、普通に走る分にはなかなかいいなと思わせる味付け。逆にステアリングインフォメーションという面ではもう少し欲しいところ。

ちょっとコーナーリングを楽しみたいと思えば、アクセルを全開にするとすぐにコーナーを楽しめる速度に達します。クネクネ道だと、アクセル全開にしてもすぐブレーキというくらい加速は良い。この加速だけで刺激を味わえる。そしてハンドルを切ると、意外にスムーズ。というかなんと表現していいかわからないが、クルマから想像するよりもレスポンスがマイルド。ステアリングギヤ比がクイックで精密なハンドリングを想像していると肩すかしを食らってしまう。
またタイヤの感覚がビシビシと手のひらに伝わってくるわけではなく、インフォーメーションが多いかといわれればそんなことはない。フロントの接地感が少なく感じられ、逆にこれがスムーズに感じるのかもしれない。

ただ、これがリヤミッドシップレイアウトの特性といわれれば、納得できる。思えばホンダ・ビートやマツダ・AZ-1でもフッとステアリングが軽くなる事があった。ステアフィールは重くて昔のクルマのようであったが、パワステもないような重さだと、フロントの接地感がわかりやすかった。
※電動パワステの時代になれば、何もインフォメーションのないクルマはいくらでもあります。それと比較すればMR2はとっても自然。

MR2の場合、強くブレーキしてすぐにハンドルを切ればフロントの接地感が上がるかもしれないが、普通にしていても何も曲がらないわけではない。(ホントは少し怖い・・・)。
レスポンスが悪いといってもフロントは絶対的に軽いはず。軽い回頭性を楽しめれば最高ですが・・・。
そういえば今思うと、試乗したMR2はフロントトランクにオーディオのアンプ2枚が入っていたし、車高調で前後の車高を調整していたので、多少キャラクターが変わっていたと思う。

ビルシュタイン・ショックアブソーバー

3型以降、ターボ系そしてNA系の一部グレードにはビルシュタインの名が付いたショックアブソーバーが採用されます。
ただしこれ、スポーティにセッティングされた普通のトヨタ(カヤバ)のショックとあまり違いがわかりません。シェルケースの見た目だって一緒です。
結局、他車でもある名前だけビルシュタイン。ただの子供だまし。ビルシュタインならではの初期減衰力とスムーズさを持つショックと同じ構造とはおもえませんですよ。

試乗レポート(ブレーキ)

MR2にはスポーツABSという4輪独立+ヨーも考慮するABSが付いています。つまり、旋回ブレーキも可能ということです。

しかし一旦サーキットに行けば、クルッとスピンするんで過信は禁物。リアが素早くズルッと滑っていく感覚、これこそミッドシップ。スピンモードに入ったら、私ではどうしようもありません。タコ踊りしてからスピンすることもありました。またブレーキでリアが不安定になった時にアクセルといれれば、ズルン。タコ踊りになった時はそうっとアクセルを戻さないとズルン。でも早くアクセルを戻した方がいいことも多々ある。ハンドルは自分が行きたい方向に切ればいいというが、動き出しが早いとついついカウンターを当てすぎてしまう。そしてタコ踊り。
慣れないといろんな挙動変化に楽しめる=苦しめられる。

ブレーキに関して。ワインディングで直線だけ全開、そこから落ちついてフルブレーキを心がけていれば、よく効きます。不安な面もあまりみせません。リアが重いからかブレーキング時のフロントバンプは最小限。丁寧にブレーキして丁寧にハンドル切って、クリッピングポイントからそおっとアクセルを踏む。
運転がうまい人なら振り回せるかもしれません。筆者は山道での試乗の度に、恐る恐る運転していました。直線の加速減速だけでも十分刺激的だったのでMR2は楽しめました。

改造もパーツ豊富

新車当時はそんなに人気のクルマではなかったのですが、MR2のパーツは意外と揃っています。それにターボならちょっとパーツを買えればブーストが上がって簡単にパワーアップします。またMR2はミッドシップといってもエンジンの搭載位置は高いので、エンジン周辺をいじるのも割合と簡単です。

またフロントのトランクルームにはオーディオ関係を詰め込めます。2段のラックを作れば、アンプにプロセッサーと収納可能。そしてシート後ろにはソニックデザインの小径ウーファーが詰めますので、スポコンチックにすることも可能。

冷却水のエア抜き

MR2はフロントにラジエターがあって、リアのエンジンとホースで連結。その中を冷却水が流れています。
冷却水の量は、たしか10リットル弱くらいだったような。

この冷却水、定期的に交換する必要がありますが、難しいのがエア抜き。(エアが入っていると冷却効率が悪い)。

MR2の長い冷却水ホースの中にはたくさんの量のエアが引っかかっています。一人はラジエター上部の水を切らさないように、もう一人はアクセスを煽ってエアを抜きます。1時間くらいかけてじっくり行う必要があります。中古で購入したらぜひ行って下さい。作業自体は簡単です。チューニングショップを除く一般のお店では、きちんとエア抜きをしてくれません。

MR2の内装3MR2(マニュアルトランスミッション)内装。シートの後ろにはほんの少しだけ、ものを置けるスペースがある。カップラーメン4つ分くらい。

中古で買うなら

MR-Sが生産中止になる時代になっても、MR2の中古相場はとっても割高。いやこれ、プレミア価格でしょう。
安価なミッドシップが欲しければ、MR2しか選択肢はありません。赤いボディカラーが似合うクルマも、MR2しかありません。エビ色になったボディをしっかり磨いてあげて下さい。
しかしちょっと選択肢を広げれば、スープラやS2000なんていうのもあります。

80スープラは3000ccターボでMR2をいじってもなかなか同じに速くはなりません。さらに走っても扱いやすく、6MTは国産随一といえるほど極上なもの。6気筒の音もスポーティ。

その他、パワーがそんなにいらなければ、S2000なんていう選択肢もあります。ペダル、シート、ハンドル、操作全てがダイレクト感溢れます。エンジン音も上質。

その他、年式が新しい方がよければアルテッツァなんていうのも。アンダーパワーですがシャシー性能はバッチリ。ボディデザインは微妙。エンジン質感もちょっと。

トヨタ MR2

トヨタ

MR2 (エムアールツー)

  • 試乗グレード:“GT-S”
  • 型式:SW20 3型
  • 新車時価格:260万円

エンジン概要

  • 排気量:2000cc
  • エンジン型式:3S-GTE
当記事は「ヒラリー男爵」が
お届けさせて頂きます。
ヒラリー男爵

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ライバルと比較しての評価
エンジン質感 5段階評価

スポーツエンジンとすればガサツで鈍い。ターボも運転の邪魔をする。

足回りの質感 5段階評価

純正ビルシュタインは即ゴミ箱行き。

内装の質感 5段階評価

軟質パッドが多く使われ、タイト感も演出。

外装の質感 5段階評価

横から見ればノッチバッククーペスタイル、後ろから見るとミッドシップスタイル。

快適性 5段階評価

全体的なミシミシ感は少ない。ショックを変えればよし。

妥協のカタチ 5段階評価

10%の夢と90%の妥協を形にしたクルマ。それがMR2。

お買い得度 5段階評価

どこに重点を置くかで大きく変わるのがMR2の価値。


フロントトランク内。マルチ用のプロセッサーにアンプ2枚。運転席後にもアンプは入る。


13センチのドアスピーカー。ダイアモンドのヘックスだったかな。

辛口試乗レポートと合わせ、独断と偏見による5段階評価。同価格帯の車との相対的評価を掲載。

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試乗比較しにくい中古車購入の時こそ、中古車購入時にも役に立つレポートを送り続けて16年。これからもドライな試乗レポートでお楽しみ下さい。