イプサム(ACM21W)辛口評価と評論・記事

自動車購入の試乗比較、中古車選びにも・メーカー別評価「トヨタ」
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乗り心地や燃費、エンジン質感評価・間違いいっぱいの自動車選び
 

(2005年記事 トヨタ イプサム
著:元自動車整備士)

トヨタ
  • グレード:“240i”
  • 型式:ACM21W
  • 車両価格:225万円
  • デビュー年:2002年

トヨタ・イプサム・試乗インプレッション

間違いいっぱいの自動車選び、今回の試乗レポートは2代目イプサム(ACM21W)、グレード「240i」。マイナーチェンジ後の標準グレードとスポーティグレードに試乗しています。

それなりに売れた初代イプサム。トヨタとしてはもっと売れてほしかったかもしれませんが、CMの影響もあり知名度は高かった。そんな初代イプサムの後を受け、2代目は大きく立派に価格も立派になって登場。。
初代は1996年から2001年の6年間販売。2代目は2002年1月からの販売です。

長いモデルサイクルのイプサム

クルマというのは、だいたいモデルサイクルとして4年間販売され、その間の2年目にマイナーチェンジが行われます。前期モデルの悪い部分をよくしたり、販売をより上げるために、もったいぶっていたところを追加させたり。
このサイクルが主流ですが、西暦2000年を越えてからは不況なども絡んできているのか、クルマによってそれぞれのモデルサイクルに沿って対応されるようになりました。

2代目イプサムは、モデル中頃から廃盤かモデルチェンジかと噂されていましたが、結局、細かな部分の改良を続けて、本質的な部分は変わらず、初期状態のまま長期にわたって売っている車です(2009年現在)。

2代目イプサムの概要

この2代目イプサムは、初代イプサムが5ナンバーサイズに抑えたボディサイズと、2000ccという排気量だったのに比べ、ボディを大きくし(全長120mm、全幅65mmもアップ)、なおかつ排気量を大きく路線を変更。

ボディサイズは全長4690mm×全幅1760mm。コンパクトミニバンサイズから通常のミニバンサイズになりました。

1クラス車格がアップ。それに伴いお値段もアップ。
車両価格帯は200万円以下クラスから、230万円クラスに変更されました。

代換え需要を促すための車格アップモデルチェンジ。誰しも現在乗っているクルマに対する興味は強いわけですから、新型の魅力が大きければ乗り換えとなります。

のはずですが、価格が上がった分、初代イプサムを乗っていた人たちが、買い換えるという事は少なかったらしい。という分析がどこかでされていました。また新しいオーナー自体も増えないというトヨタの失敗作にもかかわらず、モデルチェンジもせずに販売しているめずらしいクルマです(2009年現在)。

追記:初代イプサムの代換え需要はウィッシュ/アイシスが受け持っているとのこと。

イプサムのデザイン

ファミリーカーといえば内容よりデザインで選ばれることが多いらしい。ということで真っ先に2代目イプサムの外観デザインを見てみると、これは安っぽいのがわざと狙った存在感のなさなのか。
パッと見は上品だけど全体的にもっさり。実際には膨らみもあるが、何のひねりもなくノッペリしている印象をうけてしまう。新しい試みが感じられない反面、特別悪くもないが、イプサムらしさもない。街中でも注目されることもないし、家に泊めておいてもご近所さんはクルマを変えたことに気付かなそう。つまり人畜無害を狙ったデザイン。

デザインについてはマイナーチェンジで細かな部分が変更になります。初期型と比較し、2003年マイナーチェンジ後のモデルからは、ヘッドライト中央よりの部分が少しだけ鋭くなります。これにより若干スポーティさをアピールするデザインになっています。とはいってもディテール以外、それ以外はあんまり変わっていません。最小限の変更を受けただけです。

試乗:走行感覚

では試乗レポートを。走行2万キロくらいのイプサムをレンタカーで借りて、走ってみて感じることは、「240i」と言うグレードはあくまでごく普通の旧世代ミニバンという足回りで、柔らかくゆったり動き乗り心地重視です。
ただしこれ、周りの競合他車に固めのサスペンションを持つモデルが増えた為、これはイプサムの長所

この柔らかい足回りセッティングは、同乗者付きでクネクネ道を走れば、コーナーリングでは多少神経を使います。しかし、「ゆっくり加速しゆっくり減速、ハンドル切るのは交差点くらい」というなら、イプサムはドライバーも同乗者も快適。サスペンションが柔らかいから、足回りのフリクションだってあまり気にならない。逆にフリクションによって落ち着いた動きになっているとさえ感じます。
それ以外にも内装がミシミシと音が出る可能性が少ないなんていう長所もあります。

この足回りに合わせてハンドリングもまったりとしたゲインの立ち上がりですので、バランス良いです。ジオメトリー的にも安定志向でしょう。
総合するとイプサムは、ジュースを飲みながら、おにぎりを食べながら運転するのに最適なキャラクターです。タバコを吸っているときでも、振動で灰が落ちてしまうこともありませんでした。

動力性能について

エンジンの持つ加速力、2人3人と乗ると、これはもうカメのよう。ゆっくりあせらず走ろうよと、かわいいカメさんが頭に浮かんできます。これぞイプサムのエコマーク。
いや市街地ならこれでいいんです。飛ばして疲れて休憩しての ウサギさんは結局カメさんに追い抜かれてしまいますから。

ギヤ比はクルマのキャラクターなりにハイギヤード。だから出だしで加速している感覚が薄い。もっさりしているので遅く感じるという感覚的な面もあります。でも高速道路の合流なんて、ドライバーは一生懸命になってしまいます。できれば高回転を使いたくないがさつなエンジンと、4ATというミッションが原因かもしれません。

フル人数の乗車の場合はどうか?試しに大人の男性2人乗車にプラスして、荷物を300キロほど積んでみました。荷物はそのまま廃品業者に持っていって計量したので重量は間違いありません。
この状態で体重70キロの人間6人が乗車したのと同じような状態を作り出しました。

疑似フル乗車のイプサムに試乗すると、出だしでトルクが足りないのが第一印象。低回転では深くアクセルペダルを踏み込み、回転が上がって加速しすぎると感じる手間でアクセルを戻し始める。また走行中の再加速時では、キックダウンする回数が増えて車内の振動と騒音は増えます。それにより、ドライバーの疲労は増加。欲を言えば3000ccクラスの余裕が欲しくなります。

イプサムのスポーティグレード

2003年のマイナーチェンジで「240S」というグレードがデビューしました。17インチホイールと少しだけ固めになるサスセッティングを採用したグレードです。

こちら、標準グレードと比較すれば価格面では若干割高。車両価格は20万円高の245万円。大きな違いとしては240sには15mmローダウンのサスペンションと16インチアルミホイール(その後17インチホイール)を採用し、キビキビ感が向上。高い操縦性があり、運転していても楽しさがあるグレードです。

サスペンションの型式でいえば従来通りのリアトーションビーム。だけど気にすることはありません。1人乗車ではドタバタして乗り心地の質感は低いですが、リアの安定性が不足している感覚はなし。

ちなみにこのイプサム、タイヤにもよりますが一般道でのコーナーリングフォースはオデッセイアブソルートと同じくらいが体感出来ます。オデッセイとはキャラクターが違いすぎますが、イプサムでもミニバンとして十分すぎるほどの横Gを感じることも出来ます。

※イプサム240Sの新車時車両価格は245万円。

いつも複数人乗車なら240sを

イプサム、ここでご紹介している標準グレードも全然いいんです。柔らかい足回りはそれだけで長所。しかしいつも誰かが同乗される場合を考えると、イプサムの中古購入を考えるなら240sをオススメします。

ロールスピードが穏やかなので、乗車人数が多いときなどもハンドル切るのがラクです。雑な運転に思われたくないという場合、この240Sである程度ゆっくりとハンドルを切ることを心がければ、ちょっと速度を上げても同乗者の不快な印象は最小限。
段差ではドタバタしますがサスペンションは特別固いわけじゃありません。特性もクイック過ぎず、こちらも運転しながらジュース飲んだりおにぎり食べたりが可能です。

イプサムをライバルと比較すると・・・

イプサム最大のライバルは、ホンダのオデッセイ。ボディの大きさ、排気量からしてもこの型、2代目イプサム(ACM21W)からのライバルです。(初代イプサムはかなり小さい)。

ホンダのオデッセイ2代目は1999年12月(ほぼ2000年)デビュー。2002年1月デビューのイプサムと1年の差がありますが、きっちりぶつかっている間柄。イプサムがモデルサイクル中、オデッセイは順当に次のフルモデルチェンジをして、3代目に進化。しかしイプサムはマイナーチェンジによりモデル継続を選択。
つまり、2代目オデッセイおよび3代目オデッセイがイプサムのライバル

比較すると、エンジンは質感ではオデッセイにかないませんが、絶対的な加速力はとても近い印象。VTECだなんだいっても、排気量は似たようなモノ。基本的に加速力は排気量並みということでしょう。限られたシチュエーションでしかそんなに速くはないんです。実は。スムーズさや音といった質感以外では、なかなか大きな差は生まれないということです。
ただしドライバーの感覚で言うと、全域でトルク感を感じるのはオデッセイのエンジン。クルマに興味がある方なら気付くだけのチカラの差はあります。高回転を利用しても不快ではない。イプサムのがさつなエンジン音、そしてATが4段というのが、スムーズさを欠く別の要因でもありますが。

オデッセイとの最大の違い、イプサムの特徴は、サスセッティングが柔らかい点。そしてやはり中クラスのミニバンとして、オデッセイより全高が60mm〜90mmも高いことで、室内空間に開放感があります。結果ゆったりくつろげます。さらにいうとヒンジドアの5ドアミニバンとしては、最も多彩なシートアレンジができることも場合によっては優れた特徴と言えるかもしれません。

次にミツビシ・シャリオグランディスと比較すると、車体の大きさは若干違えど、キャラクターは似ています。ゆったり動く車体にゆったり回るエンジン、柔らかめの足回り。またレスポンスよりショックを少なくしたATのキャラクターも似ています。手動でシフト操作するとものすごい飛び出し感がある。

シャリオグランディスとの比較、高級感という点ではイプサムが若干リード。居住性も上。逆に乗り心地の柔らかさ、エンジンのフィーリングという面では、シャリオグランディスが多少リードしているように感じます。

スペシャルな装備、TEMSも用意されます

「240u-GSelection」 と 「240uというグレード」には、Hインフィニティ-TEMSを標準装備。これはショックアブソーバーの減衰力を自動的に変更してくれる装備。各4輪のショックアブソーバー減衰力コントロールによって、快適な乗り心地と車両安定性を高めているらしい。

  • イプサム240u 新車時価格 ・・・ 261万円
  • イプサム240u Gセレクション 新車時価格 ・・・ 277万円

このTEMS、一言でいえばショックアブソーバーの減衰力自動調整機能。TEMSはかなり昔からトヨタ車に用意されていたが、もともとショックが渋いこともあり、残念ながら効果的な装備とはいえなかった。
イプサムのそれは、一昔前のいらないTEMSと比較すれば、だいぶよくなっているとのこと。個人的経験上、ショックがへたればTEMSの効果は余り感じられません。距離を走っている中古車では効果を感じられるか疑問が残ります。基本的には新車購入かつ強い興味があればぜひ。メーターパネル内の切り替えランプを見ているだけで、少しは楽しめます。

ミニバンの場合は乗車人数によって大きく変わる車重、これをTEMSが自動調整してくれると考えれば、クルマの利用方法によっては魅力ある装備です。

240Sの内装色は黒系。6人乗りと7人乗りが選べる。小さなお子様がいれば7人乗りが便利。

中古車ならイプサム240Sを選択したい

トヨタイプサム240sというグレードには「15mmローダウンのサスペンション」と「16インチアルミホイール(現在は17インチホイール)」を採用し、ベーシックタイプより高い操縦性を実現ししています。もちろんミニバンにしては、という条件付きですが、少しでも運転を楽しみたいという方のためのグレード。

この240S、キャラクターとしてはオデッセイのアブソルートのような足回り。フィーリング的にはオデッセイよりは柔らかいが段差ではドタバタするスポーティなミニバンといった感じ。オデッセイほど大きな段差をスムーズに越える能力はなくても、平らな道でビシッと走る感覚は近いものがあります。ロール剛性の高いイプサムをお望みなら、こちらを。クネクネ道を走ることが多い方にはこちらの方が運転しやすいと感じると思います。

乗り心地という面では、オデッセイアブソルートも乗り心地が悪いんですが、イプサム240Sも乗り心地が悪い。乗り心地とのバランスを考え、タイヤの空気圧を少し変更してテストしてみました。タイヤの空気圧を多少低めにするのが良かったです。

  • 空気圧2.7キロ ・・・ スタートからクルマが軽い。緊急時にタイヤが滑りやすくなる可能性がある。
  • 空気圧2.5キロ ・・・ スタートからクルマが軽い。燃費も伸びるかもしれない。
  • 空気圧2.0キロ ・・・ 腰砕け感はなし。キビキビ感を重視するならこの辺。
  • 空気圧1.8キロ ・・・ 特に問題はなし。当たりが柔らかい。
  • 空気圧1.6キロ ・・・ 柔らかい。が、16インチとのマッチングは悪い。もっさりする。燃費が少し下がる可能性。

※イプサム240Sの車両価格は245万円。

ライバルのオデッセイは、どちらかといえば人気車で中古車もお得ではないですが、イプサムは、特に不人気車という事もあり、程度がよく、お買い得なお値段で購入ができそうです。新車ならオデッセイの大幅値引きで勝ち、逆に中古車ならイプサムの割安感が勝ち、ですね。

トヨタ イプサム (2代目)

トヨタ

ipsum (イプサム)

  • テストグレード:“240i”
  • ミッション:4AT
  • 型式:ACM21W
  • 新車時価格:225万円

概要

  • 排気量:2400cc
  • エンジン:2AZ-FE
  • ボディサイズ:4650/1760/1660mm
  • 車重:1480kg
  • 発売年:2002年
当記事は「元自動車整備士」が
お届けさせて頂きます。
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ライバルと比較しての評価
エンジン質感 5段階評価
駆動系質感 5段階評価
足回りの質感 5段階評価
内装の質感 5段階評価
外装の質感 5段階評価
快適性 5段階評価
お買い得度 5段階評価


スポーティグレードと言えばお約束のブラック/グレー系内装。


柔らかめなクルマに合わせた内装。年配の方向けデザイン。昔ながらの豪華さという点ではいい線いっている。


足回りは柔らかめ。スポーティグレードは普通ぐらいかちょっと固い位の固さ。

辛口試乗レポートと合わせ、独断と偏見による5段階評価。同価格帯の車との相対的評価を掲載。

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長所短所を明確に、辛口評価(言いたい放題)
中古車購入にも役立つ自動車評価評論・試乗レポート。同価格帯で5段階評価。
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試乗比較しにくい中古車購入の時こそ、中古車購入時にも役に立つレポートを送り続けて16年。これからもドライな試乗レポートでお楽しみ下さい。