オーリス試乗P4・120T(ターボ)試乗感

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乗り心地や燃費、エンジン質感評価・間違いいっぱいの自動車選び
 

(2012&2015年記事 トヨタ オーリス
著:ヒラリー男爵)

オーリス(NZE181)試乗インプレ「4」

今回の辛口比較・評価評論のターゲット車は、2代目となった新型トヨタ・オーリス(NZE181)、グレード「150X」。前ページからの続きになります。

当ページは4ページ目です。 「ターボ付きエンジンを搭載したグレード120Tの試乗感、ゴルフ比較を交えて」を掲載中。

オーリスのコクピット5オーリスのコクピット6
トヨタ
  • グレード:“150X”&"120T"
  • 型式:NZE181&185
  • 車両価格:170〜260万円
  • デビュー年:2012年

グレード「120T」概要

オーリス走行中室内

豊田自動車2015年のマイナーチェンジで追加されたグレードが「120T」。このグレードは新エンジンが注目で、エンジンはいわゆる低排気量ターボと呼ばれるタイプのパワーユニット。車体の割に小さい排気量に過給器を付けて、必要な時だけ排気量アップのような考え方ということです。

この120Tはグレード構成の中で最上位。トップグレードとして位置づけられ、新車価格も約260万円と全くエコノミーじゃありません。「燃費が良いから」とか「自動車税が安いから」なんて理由で選べるわけじゃなく、趣味で選ぶグレード。そう、新世代エンジンで走りたい。そんな目的で選ばれる事を想定したグレードということは簡単に想像が付きます。

エクステリア・リアとはいえかなり強気な価格設定。マツダがディーゼルエンジン搭載車の車両価格を高額に設定していますが、あちらは大きな補助金が期待できます。またライバルのゴルフやV40あたりなら豊富な在庫車で値引きが期待できます。それを考えればオーリスはビックリ価格。このエンジンに50万円の価値を見いだせればこそ、ということですね。

最大のライバルはやっぱりVWゴルフでしょう。大人げなくエンジンも価格も似せてくるところが流石トヨタ。メンツ気にしてこれができなきゃ会社はつぶれますw しかも商品企画だってすごい。ゴルフの弱点=オーリスの長所。乗ればすぐにわかります。

参考:7型ゴルフR・試乗レポート
参考:7型ゴルフ(ハイライン)試乗レポート
参考:7型ゴルフ(トレンドライン)試乗レポート

エンジン&CVT

エンジン型式は「8NR-FTS」。最低限の人気が得られれば、今後10年も20年も使われることになる可能性いっぱいの新エンジン。筆者も試乗に興味津々です。

エンジン質感など

エンジンルームエンジンの質感は高い!どれくらい高いといえば、オーリスには過剰かと思ってしまうほど。
今までトヨタの4気筒といえば、只の動力源。音、振動、フィールetc.まともに褒められるエンジンなんてなかった。どれも「オタンコだけどパワー感ある」って感じで。すぐれた6気筒が安く用意されるから4気筒は割り切り。そんなイメージだった。

それが今度のエンジンは全然違う。クルマ好きでも4気筒を積極的に選ぶ時代に合わせてきたかのような、「良いモノなら高くてもいいよね」系。質感重視して〜価格をアップして〜という最近のトヨタをそのまま表しているようだ。

エンジンノイズ、十分に小さく、しかも耳障りな音じゃない。さらに回してもノイズが盛り上がらず、4000回転オーバーまで苦しそうな音を出さない。もうね、タコメーターとニラメッコしていないと、どの位の回転数を使っているのかわからなくなる。

エンジン本体の音が静かなだけじゃない。ターボといえば補機類からの音だって聞こえてくるものだけど、ターボらしい音も気にならず。エンジンのみに注力するような乗り方をしなければ、ターボらしいのは中回転での力強さくらいか(回転数によるトルクの出方、これは後述)。
トヨタ車が静かなのは当たり前。このオーリス120Tのエンジンはそんな次元を越えてる。アクなんてな〜んもない。モーターの方が音的な刺激があるんじゃないかってほどw

試乗中、ちょっと休憩しながらエンジンフードを開けてみた。そこで気付いたのはアイドリング時のエンジンノイズだって質感高いという点。トヨタの4気筒らしい、ユルユル&ボヘボヘという音ではなく、カリカリカリカリ〜って感じの音。高質&硬質。直噴エンジンの音から嫌みを消し去った音のように感じる。
マフラーからのボーボーボーボーした音は無駄な演出に思えるが、これまた最近のトヨタ流。この位はガマンしなくちゃと思った次第。

また大事な大事なエンジンマウント、意外にも普通というか貧弱に見えた。見えないところに最新技術が詰まっているのかもしれないが、やっぱりエンジン自体が素晴らしいと思った次第。

新しい世代のターボらしさ満点。トルクの出方など

エンジンの出力特性は予想以上に最近のターボ車らしい味付け。1500回転以下でレスポンス悪く、2500〜3500回転で十分なパワーを発揮し、それ以上はただ回るだけ。レッドゾーンは5500回転から。

おおざっぱに言えば低回転から、1200cc > 1800cc > 1500cc 可変排気量みたいな不思議なパワー感。ここはゴルフ以上にターボらしい。

中回転で急にパワーが盛り上がる=低回転が弱く感じる=急激なトルク変動で運転しづらい、となりがちだけど、そこは上手くCVTがカバーしている印象。ゴルフやポロのような乗りにくさはない。ほんとにない。停止からの加速、中間加速、踏めるだけ踏む、どんな時でもジワ〜となだらかな直線を描いて最大加速に入ってくれるから、ドライバーは余計な事を考えないで済む。

これによって犠牲になったと思われるのは、極低回転で巡航中でのアクセルレスポンス。微妙な操作に反応してくれないばかりか、一瞬アクセルを全開にして緩めるという動作でも反応が悪い。

新しい世代の低排気量ターボ、この”らしさ”は助手席に座っている時の方が感じやすい。ノイズの少ない中回転でジェントルに加速してくれる様子は、オーリスのコンパクトな外観から想像できるものじゃない!そもそも補機類の音含め静かで、かつ低めの回転数で加速。コンパクトカーにも高級車の価値観をというヤツですね。

こんな感じだから、2人以上でのドライブは会話がラク。声が小さいドライバーっているでしょ、まわりのノイズに合わせて気を遣えっていう人。そんな人と試乗に行ったら最高ですw

CVTもとっても上質

シフトセレクター1シフトセレクター2

ご年配の方に伺えば、30年前からトヨタのミッションは素晴らしかったらしい。ライバル比較で常に上質な乗り味を提供してきたというハナシを複数耳にする。

オーリス120TのCVTもやはり素晴らしい。現時点でここまで上品に走れるCVTって思いつかない。スロットル特性含め、雑味とかクセが気にならないんだよね。特徴は適当にでも走りやすいセッティング。クルマを考えれば、レスポンスを犠牲にしても乗りやすいさを重視したようなフィールは好感が持てる。

エンジンとセットで考えれば、低排気量ターボの弱点もうまく補っているんだろうし、初めて乗っても違和感なし。今までのクルマで当たり前だった、適当なセッティングはなんだったんだろうw

エンジン単体だと静かで刺激がないといえるが、このミッションやスロットル特性と合わさることで、長所が倍増。ある種の高級感を感じさせてくれる。とってもバランス良し。

そういえば7型ゴルフR、トルクの強い低いギヤでホールドしても、扱いやすさが印象的だった。あれと同じ方向性で、さらにDSGに対してCVTだから、もっともっと滑らかに加速減速できるし、レスポンスの悪さはラフなアクセルワークも十分に許容してくれる。

ミッションも含めて考えれば、キャラクターは真逆。DSGのギクシャク感、あれは合わない人には全くダメみたい。当HP「間違いいっぱいの自動車選び」スタッフもVWシロッコRを短期間で手放した。安い買い取り価格でもガマンしてw
オーリスはそんなゴルフの痛いとこをしっかり付いてきた!

ドライビングフィールや快適性

もともとオーリスは走行性能全般が重視されたモデル。エンジンばかりに興味が行きがちだけど、乗り心地やハンドリング感覚などはどうだろう。

「動く足」と「動かない足」と表現すれば、どちらに分類して良いか悩む。オーリスは前後左右には動いて、路面の段差では動かない。クルマがまだまっさらの新車という事もあるという前置きの上で、そんなに質の良い印象じゃない。昔のトヨタ車と比較すれば、ブレーキング時やコーナーリング時にスムーズ感がある。

ステアフィールや乗り心地

室内1前述の通り乗り心地は並み。普通に街中を走っている限り、走行的質感を重視したクルマだとは到底思えず。まだ新車のギスギス感もあるだろうし、120Tに装備される固い革シートの影響もあるだろう。加えてタイヤの空気圧も高そう。なので断言はできないけど今の段階では良くないのは事実。

ハンドルを回す動作に対して、ステアリングの回し心地はオッケイ。トヨタの電動パワステって雑味が抑えられ、しっとり感がある。中立に戻す動作にしても適度で一定な反力が心地良い。

室内2コーナーでは落ち着いたフィール。マイナーチェンジ前と一緒でレベルの低いスポーティさを表現するタイプじゃない。全然オトナだ。マイルドなコーナーリングを感じながら切り込む量を増やしていくと、意外に、意外以上に動くアシだった。サスペンションは市街地速度でも縮もうとするし、伸びようとする。
少しペースを上げていくと、やはりスゥ−と前に横にストロークする。突っ張ってるだけじゃないし、固いと思ったら急に腰砕けになるタイプでもない。伸び側はもっと伸びない方が高級感はあるけどそこを重視するとアクセラ的なつまんないハンドリングとより悪い乗り心地になっちゃうのかもしれない。

初期動作の領域で、ショックアブソーバーの減衰力が弱そうなんて感じるトヨタのコンパクトクラス、他にあったっけ?同世代のカローラだって固く突っ張ってる。

乗り心地は悪いんだけど、左右にはよく動く。慣れないとロール量やスピードがちょっと大きいんじゃないかって感じるかもしれないけど、こうしたセッティングも良いモノです。

ブレーキ時の安定感高い。でもフィールが良くない

タイヤ年に何回、急ブレーキをするかって聞かれて、1回もしないって方はスルーして下さい。ブレーキングも楽しいって方は必見。

前提として、試乗車の新車時装着タイヤは横浜のコンフォート系だった。ミゾが細かくよく鳴きそうなトレッドパターン。車内にはリアシートに大柄なゲストを迎え、減速に有利な状態に。

このような状態で強いブレーキを踏む。ABSの介入はフロントタイヤ2輪がククゥ〜と音を出し始めた頃で、凄いバランスが良い。トヨタのABSって、明らかに介入早過ぎちゃうクルマばかりだった。もしかしたら衝突軽減ブレーキ搭載による変化もあるのかな。

減速力としては、リアサスペンションが伸びにくいシチュエーションに関わらず、あんまり高くない。ドライバーは余裕で自分の足下を見たりできるくらい。
困ったのはコントロール性。タイヤがクークー言っている状況で、微調整して減速力を調整してみたいんだけど、全然調整が効かない。ブレーキアシストが介入すると調整をシャットアウトしてしまう可能性がある。

微調整が効かないクルマはあれど、調整が効かないクルマとしては同じトヨタのアクアレベルか。そこまでは酷くないとしてもそんな印象を持ってしまった。路面の白線や鉄板に合わせて、またコーナーリング中の緊急ブレーキなど、少しブレーキを弱めてからハンドルを切りたかったりする時もある。

付け加えたいのは、安定性の高さ。伸びやすくて縮みやすいサスペンション、軽自動車のアンチダイブ的なセッティングより乗りやすいし、姿勢が変わった後の挙動がピョコピョコしないのは落ち着ける。安定性高い、だからこそ、減速力が低く感じるし、コントロール性が悪く感じやすいってのがある。
ハンドルに体重が掛からないよう、上半身を腹筋で支え、ハンドルには手を添えるだけ。そうしたブレーキングではBセグメント・コンパクトカーとの違いは大きい。余裕が違います。

つまりそう、軽自動車よりブレーキがラクで、Bセグコンパクトより余裕が大きい。ライバルが違うって言わないで下さいね。クラスを越えて比較される方への、高価で大きなオーリスの名誉です。

新プラットフォームへの搭載が楽しみ

衝突軽減ブレーキオーリス120Tのエンジンフードを開けると、エンジンがとても小さいのがわかる。同様にゴルフの1200cc搭載車もそう。とっても無駄だと思いません?

2000ccエンジンを搭載できるよう想定されたモデルに、高価で小さいエンジンを積む。ちょっと待って冗談でしょって言いたくなる。人気モデルはギリギリまで室内の広さを広げたモデル。オーリスもゴルフも室内は狭い。

プリウスは未だに新鮮みのある、未来感あるボディデザインとインテリアが魅力。小排気量ターボも、車内広さに活用するなり未来感に活用するなり、せっかくコンパクトなユニットならそれを生かすようなクルマに期待。どっちかっていえばホンダの方がやってくれそうだね。

車両価格を考える

このエンジンはなんだろう??考えた末の結論は「実用性を重視したプレミアムエンジン」と表現させていただきます。良いモノは高くて当然。新しいモノは高くて当然。ついでに高額ならプラシーボ的な効果も期待できる。260万円?とってもバブリーな商品企画じゃないですか。

実際のトコロ、対ゴルフとしては流石と言える商品企画。好みで選べる。だけどCセグコンパクト以外に目を向ければ、魅力的なライバルはいっぱい。
エコノミー(経済性)で選んでも、ユーティリティ(利便性)で選んでも、プレミアム(高級感)で選んでも、さらには見栄で選んでも、あえてオーリスを選ぶ理由は希薄。やはりブレイドの後継車かw

ひとつ上げるとすれば同時期にデビューしたホンダのステップワゴン。ターボ過給付きの1500ccエンジン搭載。こちらはオーリスとは考え方が全くことなり、ベースグレードからこの新しいエンジン。そして車両価格だって、モデルチェンジでそんなに上昇していない。220万円台〜ならまぁ納得でしょう。
これだったら価値がある、筆者ヒラリー、低排気量ターボの存在意義ってステップワゴンみたいな感じと考える。オーリス流にプレミアムをウリにするなら相応なクルマを望む。

オーリスのメーター1オーリスのメーター2

オーリス「120T」試乗感まとめ

エクステリア・リア2エンジンの質感は期待以上。2015年現在、欧州車と比較しても十分に立派な質感を持ってる。しかし不安要素も十分。「実用性を重視した高品位ユニットってどうなんだろう?」。パワーソースもパワートレーンも上質。デビュー直後から普通に走れるだけ調教されている。とっても素晴らしいんだけど物足りなさが残る

5万円の洗濯機や10万円の冷蔵庫に、主要ユニットだけ質感を求める??インバーターがなんちゃら・・・とかね。どうせなら車体か価格どちらかも、これに合わせてがんばって欲しかった。車体ががんばってくれれば、疲れた仕事帰りに最適なお供になり得たかもしれないし、価格をがんばってくれればプリウスに続く実用車になれる可能性も。

これだとブレイドの焼き直し。お上品なのに惹かれれば同じような価格でマークXがあるし、寧ろマークXの方が刺激だってある。筆者的にはステップワゴンの小排気量ターボ、あんなラインナップが魅力的に思える。

技術が陳腐化すれば価格は下がることに期待。またコンパクトなエンジンを生かしたモデルにも期待。最もユーザーの方向を向いてくれているトヨタだからこそ、テスト的デビューだけで終わらない事を期待します。

ゴルフと比較してるなら、オーリスはゴルフの痛いとこを強く付いてる!渋滞中でも、また不慣れなドライバーでも滑らかに走りやすく、想定されるCセグメントクラスのお客様にピッタリ。単純にパワーユニットを似せただけじゃない!ゴルフの弱点=オーリスの長所。テスト的なデビューでも対ゴルフでの商品企画は流石です。

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トヨタ オーリス (2代目)

トヨタ

Auris試乗グレード・1

  • グレード:“150X” CVT
  • 年式:2012y
  • 車両型式:NZE181
  • エンジン排気量:1500cc
  • エンジン型式:1NZ

Auris試乗グレード・2

  • 試乗グレード:“120T” CVT
  • 年式:2015y
  • 車両型式:NRE185H
  • エンジン排気量:1200cc+ターボ
  • エンジン型式:8NR-FTS

当記事は「ヒラリー男爵」が
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相変わらず渋さのあるエアコン操作スイッチ。



シフトセクレターのタッチはこのクラスでは十分に良好。



フロントアームレストは前後にスライドする。


リアシートは狭い。




やっと出てきたトヨタの衝突軽減ブレーキ。


なんだか高価そうなバッテリーが搭載

辛口試乗レポートと合わせ、独断と偏見による5段階評価。同価格帯の車との相対的評価を掲載。

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試乗比較しにくい中古車購入の時こそ、中古車購入時にも役に立つレポートを送り続けて16年。これからもドライな試乗レポートでお楽しみ下さい。