レヴォーグ試乗/自動車評価と評論

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乗り心地や燃費、エンジン質感評価・間違いいっぱいの自動車選び
 

(2016年記事 スバル レヴォーグ
著:ヒラリー男爵)

スバル
  • グレード:“1.6GTアイサイト”
  • 型式:VM4
  • 車両価格:280万円
  • デビュー年:2014年6月〜

スバル・レヴォーグ試乗インプレッション「1」

間違いいっぱいの自動車選び、試乗レポート。試乗車はスバル・レヴォーグ(VM4)。当記事では2015年式の1.6GTアイサイトを取り上げています。旧レガシィの実質敵後継車と言われ、スバル技術の結晶そして、ロングツーリングをこなせるミドルワゴンというレヴォーグ。その乗り味に興味津々で試乗しました。


  1. このpage - レヴォーグ試乗「1-1」・概要とエンジン、ミッション
  2. 分割page - レヴォーグ試乗「1-2」・ドライビング感覚と快適性
  3. 分割page - レヴォーグ試乗「1-3」・ロングドライブ性能を試す
  4. 分割page - レヴォーグ試乗「1-4」・内装質感とラゲッジスペース
  5. 分割page - レヴォーグ試乗「1-5」・細部の長所短所と他車比較
レヴォーグ内装1レヴォーグ内装2

貴重なミドルクラスワゴンがレヴォーグ

レヴォーグはCセグメントクラスのミドルワゴン。欧州車では多くラインナップされる全長4500〜4700mmのボディサイズで、ほどほどコンパクトで取り回しに困りにくく、ほどほどゆったりという”無理しない”キャラクターが魅力。
国産車ではめっきり減ってしまった同クラスワゴンだけど、同ミドルクラスセダンと比較すれば華があって良いんじゃないかな、と思う。

このレヴォーグ、メーカーのPR文章などを見ると、ツーリング性能や運転する気持ちよさが重視され、スバル技術の結晶とさえアピールされている。これは数値に表れない気持ちよさに期待してしまうではないですか!
内外装からしてインプレッサのワゴン版ぽいけど、インプレッサの長所がさらに伸びてそう、ってね。

試乗車概要

エクステリア今回の試乗車は、スバル・レヴォーグ「1.6GTアイサイト」2015年式。ミッションはCVTで車重はカタログ値1530kg。最もベーシックなグレードで、新車時の車両価格は約280万円。

試乗時の走行距離は4万km台とちょっと進んでいて、タイヤもリプレイス品に交換済み。なので新車というよりは少しコンディションの落ちた中古車に近い車両ということを最初におことわりさせて下さい。

クルマのキャラクターを端的に

「1.6GTアイサイト」というグレード、排気量1600ccのターボ過給器付きエンジンを搭載。ボディサイズからすると小さめな排気量でそれをターボで補うという、いわゆる「低排気量ターボ」と呼ばれるエンジン。組み合わせられるミッションはスバル式CVTで、駆動方式は前後駆動力が可変するタイプの4WD。

その他ショックアブソーバーにはカヤバブランドのモノが使用されているとのこと。

装備面はベーシックなグレードながらも充実。液晶ディスプレイを使用して設定する様々な機能や、アイサイトによるACC(アダプティブクルーズコントロール)、内装細部の加飾だって豊富。このあたりは流石にインプレッサの上位モデルというところだろう。割高に思える価格分は装備充実で楽しませてくれる。

このレヴォーグを3日間400km強ドライブし、特に優れていると思った点は以下の通り。

  • ボディ見切りや視界の良さ。多くのコンパクトカーより運転しやすい。狭い道も苦にならず。
  • 静かなエンジンノイズと排気音。質感のみならず、長時間の運転で疲労の少なさに直結。
  • 気持ちの良い立ち上がり加速。タイトコーナーからの立ち上がり全開時、ステア方向に吸い込まれる感覚。
  • 実用的と言える快適性を持つACC。加速減速の挙動がけっこうマイルド(ACCは前走車に追従するクルコン)。
  • 助手席足下の広さ。女性がブーツで乗車しても平気なフロントシート。素のインプレッサ譲りの長所。

良いと感じた部分はこのあたり。それ以外、レヴォーグの280万円〜という車両価格を考えると非常に低レベルな部分が目立っていた。筆者も実に残念で、なんとかして長所を見つけようとしたんだけど。

クルマ好きなら2.0GT-S、しかないか??

エクステリア(夜間)試乗車の走行距離が進んでるとはいえ、スバルファンには非常に申し訳ないんだけど、1.6GTは欠点ばかりが目に付いてしまった。

例えばフワフワ&ドタバタが同居する質の低いサスペンション。これにより乗り心地のみならず、直進性やハンドリングも割を食ってる印象。素のインプレッサ1500ccがキラリと光る一面を持っていた事を考えると、あまりに残念。
また例えば旧世代的とさえ感じるエンジン&ミッションの味付け。市街地では低レスポンス故の扱いにくさがちょくちょく顔を出す。

ということで、この1.6GTを一言で表すと、レヴォーグに期待したい部分が全て短所。完全に予想外というかなんというか。なので未試乗ながらも2.0GT-Sに大きな期待を込めて以下、試乗時の感想をまとめていきます。

試乗:エンジンと加速感

エンジンルーム1エンジン型式は「FB16」。新しい世代のエンジンで、直噴1600cc+ターボ。本来2000ccクラスのレヴォーグに搭載されれば、いわゆる小排気量ターボという認識でいいんじゃないかと思う。

このタイプのエンジンに想定される魅力は、経済性の良さとパワー感の両立。自動車税安く、多少は優れた燃費、そして2000〜2500ccクラスのパワー感。巡航時に燃費を稼ぎ、必要な時は不足無いパワーを発揮という感じだろう。
実際は現在のトコロ、こうしたエンジンを搭載することで車両価格が上がってるから、経済的なメリットを生かせるユーザーは限られると予想。

だから経済性ではなく、新しいモノの新鮮さや価格相応の質感が無ければ価値はナシ、と考える。

静かなエンジンノイズ+排気音

筆者が考えるこのエンジンの魅力は、静粛性の高さ。音質的には上品とはいえないが、エンジンノイズも排気音も静かで、クルマ全体の質感に直結。さすがにスバルでは上級車種としてラインナップされるだけの事はある、と思える。

小排気量ターボと呼ばれる他車でもそうだけど、やっぱりターボが付くと静粛性が高い傾向かな。これによって長時間ドライブでは、ターボによる動力性能より静粛性の高さにより快適で疲労が少ない。

反面、長所だけとは言えない静粛性も併せ持つ。エンジン回転数の変化による音量や音質の変化が小さく、タコメーターを見ていないと使用している回転数がわかりにくい。正確には5000回転超ではギヤの唸り音のようなノイズが目立つから、全域じゃないんだけど、日常で使用する4000回転あたりまでは変化が小さい。

クルマ好きからすると、多気筒エンジンやスポーティエンジンが持つ、”上質かつ気持ちの良い盛り上がり”が魅力だろう。そうじゃなくてもスバルやレヴォーグに望まれるのはこれじゃないだろう?と思う。
結論、この静かさは同乗者に最適。一方でドライバーには長所であり欠点でもある。と評価させて頂きます。

特性はやや高回転型、パワー感はそれなり

レヴォーグは1600ccで十分か?専門の評論家さえ意見のわかれる記事を目にする。筆者的には、最大加速力はユーザーそれぞれの必要性に合わせて選べばいいだけ。ドライバビリティや質感に差がある場合はそこを明確に評価すべきだと思う。

そうした部分に比重を置いてレヴォーグを試乗すると、意見が分かれるのはなるほど納得。

具体的には、市街地から幹線道路レベルでは動力性能が不足。CVTの特性も相まって、踏み込み側のアクセルレスポンスが明確に悪い。アクセル開度に加速力が全く付いてこない。だから必要な加速力を得るために「全開に踏み込んですぐ戻す」なんて動作も必要になる。
それでいてラフに踏み込めば唐突な挙動を示す時もあるから、信号の多い市街地ではちょっと扱いにくいというか、ストレスがたまる。

一方で高回転をキープしてのワインディングや高速道路、車体に見合っただけのパワー感はある。パワー感というか、NAエンジンに近いアクセルレスポンスを味わえる。アクセルOFF時はちょっと空走感があるけれど許容範囲内。
ここでの加速力を筆者主観で表せば、上り坂では「遅いね」と話ながら走る程度の加速力。下り坂では2000cc超200馬力クラスとそう変わらない加速感。エンジンノイズの音質的盛り上がりが無いのも含め、こんな感じの印象を受けた。

試乗:ミッション

ミッションはCVT。どんな味付けのCVTかというと、けっこう変速を優先するタイプ。極端にいえば、アクセル踏むとまず回転を上げて、その後に加速を開始。

シフトセレクター停止からの発進加速を思い出す。ゆっくりアクセル踏むと期待するパワー以下の出力で動きだしつつ、タコメーターは1800rpmに跳ね上がる。そしてその回転数のまま、巡航速度に上がっていく。車載の負圧計を見れば効率のいい部分を使っているのが予想できる。

ドライバーの感覚としては、100%変速先行の車種からすれば唐突な感じはないんだけど、踏み方次第ではレスポンス悪く感じるし、できれば極低回転から加速を始めて欲しいという思いは起きる。

この味付けは旧世代的だと思うんだけど、低回転トルクの不足をカバーするとか、燃費効率とか、いろいろな要因があるんだろう。スバルが自身を持って送り出している車種と言うことを信用し、これが良いモノと信じるしかない

力強い加速が必要な時、アクセルペダル開度でいえば20%超だろうか。Dレンジだとモッサリ感が際立つ。加速に時間的余裕があるならば、積極的にMTモードを使用したい。

MTモードでは燃費の悪化以外はメリットばかり。適度なレスポンスとマイルドさ、動かないサスも相まってラフな操作を相当に許容してくれる。さらに排気音が静かだから、周りを気にせず高回転も利用できる
MTモードはシフトセレクターを横に倒した後、パドルスイッチでアップダウンを指示するタイプ。メインメーター内のインジケーターには、操作を受け付ける方向まで指示が出る。
変速時はゴツン!というショックを出すが素早い変速。ここはスバルらしい特徴だと思う。

レヴォーグメーター(昼)レヴォーグメーター(夜間)

かすかに感じる”水平対向”らしさ

エンジンルーム2水平対向という個性派レイアウトが採用されるスバルのエンジン。このエンジン、わかりやすい特徴の一つに独特の音というのがある。最もわかりやすい特徴がこの音質じゃないだろうか。
レヴォーグのご先祖様にあたる4代目レガシィあたりから個性は弱まって来つつも、やはり”らしさ”を感じる部分はある。

このレヴォーグでは静かなエンジンと言うこともあり、独特な感じは相当に影を潜めたが、発進時と上り坂での加速時に水平対向らしい音や振動を感じることが出来た

それから、やや高回転型のパワー特性。こちらもスバルの水平対向エンジンで感じる特徴だったりする。歴代インプレッサWRXなど、明確にトルクが盛り上がる領域があったりした。

スバル レヴォーグ

スバル

levorg (レヴォーグ)

  • テストグレード:“1.6GTアイサイト”
  • 型式:VM4
  • 新車時価格:約280万円

エンジン概要

  • 排気量:1600cc+過給器
  • エンジン型式:FB16

その他概要

  • ボディサイズ:4690×1780×1485mm
  • ホイールベース:2650mm
  • 車重:1530kg
  • 新車時価格帯:270万〜360万円
  • 発売時期:2014年6月

車両型式

  • VM4 - 1600cc4WD
  • VMG - 2000cc4WD
当記事は「ヒラリー男爵」が
お届けさせて頂きます。
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ライバルと比較しての評価
エンジン質感 5段階評価

高回転寄りな特性のターボ。静粛性は高いが官能性能と扱いやすいさが厳しい。

ミッションの質感 5段階評価

変速優先。変速は素早いが加速減速のレスポンス悪い。

足回りの質感 5段階評価

ゴツゴツ&フワフワ。

内装の質感 5段階評価

細部に魅力的な部分有り。

外装の質感 5段階評価

全体的には端正でいいんじゃないかな。

快適性 5段階評価

久々に腰が痛くなりました。

見切りと視界 5段階評価

変な緊張なく走れる。

お買い得度 5段階評価

直噴ターボだから仕方ない?装備面は充実。



辛口試乗レポートと合わせ、独断と偏見による5段階評価。同価格帯の車との相対的評価を掲載。

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試乗比較しにくい中古車購入の時こそ、中古車購入時にも役に立つレポートを送り続けて16年。これからもドライな試乗レポートでお楽しみ下さい。