間違いいっぱいの自動車選び。試乗レポート。試乗車はマツダ・デミオ(4代目)。ディーゼルエンジンが話題のDJ型デミオ。そのガソリンエンジン搭載車です。グレード「13C・ガソリン1300cc」の試乗記をお届けします。
当ページは2ページ目です。「快適性とドライビング感覚」などを掲載中。
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関連ページ - 2016〜17コンパクトカー比較(ベーシックグレード編) / デミオXD(ディーゼル)試乗レポ
デミオ(ガソリン)の良さはバランス!乗り心地と操縦安定性とか、重厚感とキビキビ感、そうした相反する部分がちょうど良くバランスされている。筆者基準でね。同クラス他車と比較しても光り輝く部分はないんだけど、欠点小さいというのは上級車的な味付け。立派なボディデザインに負けない味付けを目指した、そんな印象だ。
ディーゼルでは時速80km以上でパワステが重くなる前の速度域では、とても直進性が悪かった。普段の市街地や幹線道路で乗用する領域でそれだから、直進性の悪さがすこぶる目立つ。コンパクトカーだからユルさせるってレベルを超えているんじゃないかと思うほどで。
このガソリンモデルは、全然違って一安心。直進安定性が良いとはいえないけど、ヴィッツと同レベルというかこのクラスとして一般的なレベルはある。
よくを言えばリアサスが固い事を考えればもう少しラクに真っ直ぐ走って欲しいけど、クルマのハード的な問題以外も関連している可能性がある。片側3車線など多車線道路の中央を走っていると、車線内で自車位置がちょっと掴みにくい。インパネデザインとかボディデザインからくる、車両感覚の掴みにくさがある。ここはディーゼルと一緒。
ガソリン搭載車のハンドルを握って感じる事。コーナーでもディーゼルより走りやすい。クセがあるディーゼルには面白みがある。普通に自然なガソリンは走りやすい。一言で表現するならそう表したい。まさに真逆の関係。
ディーゼルはサスペンションの減衰力が高く、それが生きる場面でのハンドリングは良いレベル。コーナーでのハンドリング総合で見れば、ガソリンより立派だ。
だけどステアリング中立から手応えが出るまでの過途特性が唐突で、滑らかに走りにくい。イコール余計な神経を使う。さらにミニバンのワンテンポ遅れてノーズが反応などの特徴があって、特に下り坂やS字コーナーでスムーズに走らせるのは大変。「同乗者を気遣ったドライブが疲れる」といえば、ご想像頂けるかな。
そしてこのガソリン。ガソリンは普通に素直。普通にコンパクトカーらしい感覚で走れる。ハンドルは軽く回り、ドライバーに情報を伝えない代わりに、ただただハンドル回せば曲がっていく。そんな感覚の持ち主。フィットやヴィッツなんかと同じ感覚だよね。
上級車って相反する部分のバランスがハイレベル。でこのデミオ(ガソリン)は、同クラス内で想定できる”重厚感”と”軽快感”が絶妙なところでバランスされている。乗り心地と走行安定性もそうなんだけど、このバランスの取り方がちょうど良い(筆者基準)。
重厚感と軽快感で言えば、ステアリングギヤレシオはほどほどにクイック。ハンドル直径はドラポジからすると少し大きめで動作量多めな感覚。そしてクルマ全体では穏やかに挙動を変え始める特性。この辺りが相まって様々なドライバーを許容するバランスを作り上げているのだと思う。
細かく見るとディーゼルが持っていた立派な点が一つ消えている。それはステアリング切り込み後の保舵力。切り込んだ後、軽く舵角を保持できるというアレだ。往々にしてここが立派だと高級感が高い。FR車なんかはこのあたりもしっかり味付けされる部分だし。
で、最近のマツダファミリー全般で適度な保舵力を感じるんだけど、このデミオ(ガソリン)だけはちょっと違う。フィットに近いほどフラッと来る場面がある。
ワインディング(くねくね道)ではどうか?普段走行する道ではパワーが足りず、自然なドライブでクルマを不安定にするところまで持っていけなかった。わかることはドライバーに返してくれる(教えてくれる)情報量の不足。
先代デミオはまるでスポーディカーのようにクルマと対話しながら走れたクルマ。それと比較し、スタビリティアップや重厚感向上の反面、ただハンドル切れば走りたいラインを走れるような味付けになった。
上級車らしさが強調されたともいえるし、実用車らしさが強調されたともいえる。
サスペンションの固さだけで考えれば、乗り心地と操縦安定性が良い場所でバランスされていると思う。そして静粛性まで含めた快適性としては、乗り心地「並み」、静粛性「劣」。
ディーゼルが乗り心地「劣」、静粛性「優」だったのを考えると、真逆と言っていい特徴だw
乗り心地は、普通ですw 先代デミオからみれば大幅レベルアップ。またディーゼルが極端に走行性能重視なのと比較しても、こっちの方が快適。
細かく見れば得意な段差は中くらいの段差で、サクッと越えていってくれる。逆に路面のザラザラや大きな段差では発生するノイズ含め、ちょっと厳しい。で総合してライバルと比較すれば普通レベルと評価したい。
体感としてはフロントシートに座ると、リアサスが極端に突っ張っている感触で、マツダらしい部分。でもフロントサスが衝撃を吸収したり跳ね上がるのを抑制してくれれば、そこまで不快じゃない。
じゃあリアシートは極悪なのかって筆者も考えたけど、リアシートは座面が柔らかく、想像より優しい乗り心地だった。
マツダならプレマシーのサスペンションが立派だから、どうせだったらちょっと試乗してみるのもいいかも。時速80kmで荒れた路面とかガタガタを踏んでみてね。
参考:プレマシー試乗レポート(内容は古いです)
静粛性の低さは相変わらずマツダのコンパクトカーらしい部分。厳密に言えばクルマ全体で少しずつ進化しているんだろうけど、静粛性は体感的な部分が大きく相対評価になりやすい部分だから、やはりうるさいモノはうるさい。
今度のデミオはディーゼルがクラスを越えるような静粛性を身につけてきた。遮音ガラスあたりはライバルでも一般的になってきたけど、デミオ(ディーゼル)はクルマ全体で静かさが強い。それ味わっちゃうとガソリンはどうしても評価は低くなる。疲れた仕事帰り、どっちのクルマで帰りたいかってなるw
最近のコンパクトカーはグレードによって静粛性レベルが異なるから、デミオ全体で静かとかうるさいとの評価は難しい。この「13C」はうるさい、が正解。体感的にはスイフトと同じくらいかなぁ。それからノートのベースグレード。静粛性は単純に価格なりが強い部分だね。
どうしても非力に感じてしまうデミオ(ガソリン)の中間加速力を計ってみました。
条件はオトナ2名乗車プラス、ラゲッジに荷物。体感上平坦で無風な道路。タイヤ空気圧は未チェック。
下はディーゼル。条件は同じ道路でほぼ同条件。違いはラゲッジは空。
※速度は車載のスピードメーター読み。ストップウォッチで計測した2回の平均値。
近い条件で比較した同世代の日産マーチ。1200cc+CVTモデル(引き合いがマーチでごめんなさい)。
計測条件は大人の男性2人乗車。ガソリン残量はメーター読み3分の2。風はほぼなし。タイヤ空気圧フロント2.2キロ、リヤ2.0キロ。
タイムだけ見るとマーチが遅い。デミオは非力なわけではなく「非力感」が強いだけということ。それからシフトチェンジの時間が含まれるからね、それを省ける30kmから80kmのタイムは悪くない。
ヴィッツやフィットなど1300ccモデルのデータは、現在用意がございません。
ディーゼルと同じ道を同じように走った動画。準備中。
デミオのブレーキは立派!そして扱いやすい!ディーゼルのブレーキフィールも良いんだけど、このガソリンも違った方向性で優れている。
具体的にはブレーキング開始して、スッとノーズが沈み、減速始めた事をドライバーが感じ、そこから先は減速の強さによって沈み込む。突っ張ってガクンじゃないし、スコンスコンでもない。また1人乗車の状況で、初期の段階でリアにブレーキが掛かっているのもわかり、これも立派。このクラスってほとんどフロントのみで減速するのが当たり前じゃなかったか。
初期の動きがちょっと大きいけど、そこはスポーツモデルじゃないからしょうがない。
ディーゼルと比較すれば、ノーズダイブが小さいガソリンに対し、ものすごくノーズダイブが大きいディーゼル。ただあっちはブレーキペダル剛性が高く、またフロント減衰力が高く、ゆっくりとノーズを伸び縮みさせられる。扱いやすいし積極的に荷重をコントロールし、荷重オーバーにならないように走る楽しみがある。
全然キャラクターの違う2台のブレーキ特性だけど、どっちもブレーキにはチカラが入れられたんじゃないかと思う。あとはお好みでどうぞ。
マツダ デミオ
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けっこうごっついストラットタワー。聞くところによれば、ボルト剛性も高いらしい。
夜間になると目立つのは、左側にナニも配置されないアンバランスさ。ここまで差別しなくても...なんて思ってしまう。
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