今回の辛口比較・評価評論の試乗ターゲット車は、CU系アコードセダン、2000ccモデル。グレードはTLアドバンスパッケージ。丸みを帯びた前モデルのアコードから一新、一クラス車格が上がったような外観デザインと立派な横幅を備えています。
※当サイトは辛口の試乗評価が特徴です。評論家の先生がお伝えしにそうな点を強調して記載しています。
「CU1&CU2」、CU系という車両型式が与えられたこのアコード。今回もセダン&ワゴンが用意され、ワゴンのサブネームはツアラー。ツアラーと言えば40歳代以上の方には惹かれる響きかもしれません。ちょっと昔にツアラーとかいうネーミングが流行りましたね〜。40歳まではまだまだ時間がありますが、なにより私も好きでした。
横幅がグッと大きくなり、室内も立派になったCU系アコードですが、ご存じの通り価格も大幅レベルアップ。デビュー当初(前期モデル)は2400ccでデビューしましたが、価格はベースグレードで270万円というプライスでした。そして売れ筋グレードで300万円級と、従来のアコードというクルマのポジションからすれば上級方向にシフトしたわけです。
その後マイナーチェンジで、多少安価となる2000ccがデビューしました。こちらの車両価格は250万円ということで前期モデルより20万円ダウンして登場。さらに値引きは十分拡大し、まあ納得の価格といえるようになりました。
今回試乗したのは、知人が購入したこの2000ccのアコードセダン。いろいろと走り回っての試乗レポートです。
アコードはミドルクラスセダンとして代々続くホンダの基幹車種。しかし小さいセダン&ワゴンのユーザーはお歳を召された方がメインのため、将来はありません。そのためかどうか知りませんが、モデルチェンジのごとに上級にシフト。ボディサイズは今回、横幅が大きくなりましたが次世代は全長だって長くなることが予想されます。
で、簡単に言えばこのアコードやスカイラインというのは、マークXになりたいクルマ。キャラクターこそ違えど黙っていても売れるアッパーミドルセダンを目指していると思われます。
(トヨタの営業は全く相手にしていませんが)。
スカイラインは今やマークXを越える走りの品質感を持つほどで、レクサスISと競うようなポジションにレベルアップ。スカイラインは立派な外装に非常に高いボディ剛性感。大きいエンジンなどなどこちらも200万円級ではなくなっています。
一方アコードは、マツダのアテンザがライバルやろ?といった感じの欧州車ライクな内容で、日本人の好みは完全無視。間違ってもゆったりしたセダンじゃありません。サイズとポジションも欧州でいうところのDセグメント級というやや大きめミドルクラス。どちらかといえば日本で売る気はないような道に進んだのかもしれません(アコードが欧州で販売されているかは未確認)。
ということもあってディメンションも欧州車的。全長はやや短め。でも横幅は広め。デザイン的には優雅ではなく質実剛健そうなデザインからは余裕は感じられません。好みでなければ無駄に大きなだけとも感じられる。
華やかさより端正さ?こんな感じですがなんだかんだ言ってそんなに車格感は低くない。やはりデザインの為だけのスペースって貴重なモノだと再確認。実際に見ると格好良く見えると思います。
こんな感じ&アコードは販売されている台数が少ないから外車といえば通じてしまうかもしれません。
ドアを開けて乗り込めば、ドアの厚みが安心感を誘います。今まで小さいクルマに乗っていたならなおさら。そしてドアを閉める音も文句なし。いい感じです。
内装質感は250万円以上のセダンとしてみれば標準的ながらも、オデッセイなどと比較すれば質感は上。やはりミニバンとは違います。これは、相手がエスティマになってもセレナになっても一緒。
スイッチなども特別安っぽい部分はありません。グローブボックスのしっかり感はまるで欧州車のよう。
さらに、今や貴重な灰皿も付いています。
センター上部のディスプレイは、純正ナビなしタイプで付くものですが、表示されるのはエアコンの情報のみと寂しい。
マルチインフォメーションディスプレイが流行っているので、ここには燃費情報などを表示してくれれば良かったんですが、もったいないことこの上なし。ホンダのいつもの企画力からすればもっとぶっ飛んだ使いまで期待しちゃうから二重に残念。
内装色について、アコードは最廉価グレードからブラック基調。デザインは手数多く派手目ですが目障りな部分をなくている感じ。日本風にいえば、地味とか精悍とか好みによって評価が変わる部分。
他のセダンで内装色といえば、グレーやベージュがメインカラーだったりします。マークXやスカイラインと比較すれば、アコードの内装はベースグレードからブラックになのはうれしい人もいるはず。比較的多くのセダンでは、ブラック内装を選ぼうとすれば価格の高いスポーティグレードを選ばなくてはなりません。
試乗すればまず気になるのが乗り心地。乗り心地ですが、流石に引き締まっています。といっても、基本的にアタリは柔らかめ、というかショックが動いているので、振動は伝わってきますが不快感は少なめ。
ただしコレは小さいボコボコの話で、大きい段差ではかなり揺すられます。クルマが壊れないか不安になるほど、バンバン跳ねます。
このCUアコードは2台乗ったのですが、乗り心地に関して、新車の状態はアタリが強すぎ。走行距離2000キロ位のアコードツアラー(こちらはセダンではなくワゴン)ではアタリの強さが多少マイルドに。小さいボコボコではユルユルと優しく揺すられます。「タンタンタンタン」ではなく、「ヒュルヒュルヒュルヒュル」と越えていきます。段差に合わせてサスが上下する感じでしょうか。
ちなみにこれ、安っぽいクルマだと「ドコドコドコドコ」になります(笑)。同世代のオデッセイだと、「ピョコピョコピョコ」かな(笑)。
アコードはフロントシートとリアシートでまた評価が異なります。まずはフロント、スペースもあって広々なフロント席。足を放り出して楽な姿勢で座れます。シートも大きくしっかり、最近のホンダ車らしく背骨のサポートもとてもいい。さらに座面は長時間乗っても変形しにくい良いシートです。クッションはとても固いですが。
運転席および助手席、つまりフロントシートに座っていると、やっぱりハイトワゴン系とは違うね〜。クルマはやっぱりセダンだよ!なんて笑みがこぼれること間違いなし。自然に座れて長距離も苦にならず。道中きついボコボコさえなければ特に不快な面はありません。
次にリアシート、フロントシートでの満足感が一転。リアシートに乗るとコレが辛い。クルマが揺れるどころかガツンガツンときます。ちょっとのボコボコでも通過して欲しくない。リアサス固すぎ!ゆっくり走ってねってドライバーに念を飛ばします。
どれだけ跳ねるかと言えば、大きめの盛り上がりを越えようものなら、頭上に頭をぶつけます。リアシートは足下スペースも足りず、天井もいっぱいいっぱい。しかしこれは決して悪い事ではありません。アコードはフロント2人の為のクルマなんです。
全長4730ミリもあって、リアドアもリアシートもあって、余裕の2人乗り。リッチですね。
エンジンは「R20A」というホンダの実用エンジン。4気筒です。特別な何かを持っているエンジンではないですが、長所として高回転の振動はほとんど感じず、流石ホンダの4気筒と感心させられます。高回転を使いたくないと感じるトヨタの4気筒エンジンとは全く違います。多分コレ、バランサーシャフト付きでしょう。
欠点は、遅い。加速力に期待してはいけません。アコードのしっかりしたボディとイメージを持って乗るからなおさらそう感じる。そして2000回転〜3000回転の間でコトコトと振動が出ます。希薄燃焼のせいかもしれませんが、常時使う回転域のため、非常に気になります。
ちなみに、助手席に乗っている分には気になりませんので、シートに伝わってくるほどの振動ではなさそうです。ペダルか、ハンドルか、フットレストか、センターコンソールか、どこか硬い部分から体に振動を感じます。
アイドリング時は、かすかに振動が伝わってきます。リアシートにも振動があります。これはトヨタ車ではもっと振動少ない場合もあり、マツダのアテンザでは同程度の振動。もしかしたら、エンジンマウントが固いのかもしれません。
結論からして、アコードを買うのはクルマに興味をお持ちの方でしょうから、せっかくアコードを買うなら2400ccのタイプSがいいでしょう。2000cc+5ATだとアクセル全開の度にため息ハフハフ。2400ccモデルだと価格は100万円アップの360万円。うほほぉと驚いてしまうコレ輸入車並みに高いので、中古で前期型の2400ccを狙う方法もありかと。
静粛性はいい路面でも悪い路面でも、とりあえず静かな方と評価出来る。このクルマの所有車によれば、前期型はもっとうるさく感じたらしい。マイナーチェンジで何か変わった可能性もあるのでご注意を。
エンジン音も4気筒としては耳障りな音じゃない。ミッションもATだからCVTの嫌な音もない。ただしこれ、アコードをミドルクラスとして見た場合の評価。価格に合わせてアッパーミドルと考えると普通レベル。間違ってもクラウンのように静かじゃない。
うるさいと感じる部分といえばだいたいどのクルマでもそうだが、リアシートでのタイヤの音はやはり騒音(ノイズ)といえるレベルで残っている。パターンノイズ、ロードノイズ。。。
このあたり、上質感をウリにしているアコードだけに少々残念。フロントシートではまずまずといっていい静粛性があるので、基本的にはリアシートは荷物置き場と考えてもいいかもしれない。
(忘れてました、アコードは2人乗りのクルマでした)
ディーラーで試乗される場合の試乗タイムは極小。短期決戦。リアシートは大切なゲストをお迎えする場所。後から後悔することの無いように、できればリアシートのチェックを。家族・お知り合いとディーラーを訪れてもよいですし、営業の方に運転して貰ってもいいでしょう。こうすれば、自然に試乗コースを2周できる(笑)
リアシートの静粛性をライバル他車と比較すれば、マークX、クラウンはリアシートのチェックをしないで買ってもそこまで文句のないレベルといってよさそう。静粛性にプラスして広さも十分。
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アコードセダン
CU1 - K24A 2400cc 2008年〜
55B24L
アコードツアラー
CW2 - R20A 2400cc 2008年〜
55B24L
アコードワゴン
CH9 - H23A 2300cc 2001年〜
55B24L
ライバルと比較しての評価 |
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エンジン質感 | ![]() |
4気筒としてはまずまず。満点じゃないのは試乗すればわかると思います |
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駆動系質感 | ![]() |
5ATをバカにしてはいけません。最低限許せるレベルはキープ。 |
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足回りの質感 | ![]() |
良いんだけど固すぎ。 |
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内装の質感 | ![]() |
価格なりの質感はある。 |
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外装の質感 | ![]() |
うまく品質感を出している。 |
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快適性 | ![]() |
フロントは十分快適、リアは不快。 |
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パッケージング | ![]() |
ボディサイズの割にリアシート狭い。 |
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欧州車感覚 | ![]() |
ホントにアコード? |
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お買い得度 | ![]() |
良いけど高い。これで200万円なら手放しで褒められた。 |
インパネ中央部は純正ナビがない場合はエアコンの動作表示部となる。しょうしょう寂しい。
背骨を支える部分(ランバーサポート)が張り出していて、座ると少し沈んで体にフィット。
身長172センチの筆者が運転席&助手席に座ると、リアシートの足下はこんな感じ。シートがでかいからしょうがない?
灰皿が標準装備。これだけで高級車のように感じる。サイズは小さめで入る吸い殻は7,8本くらい。
カバーが何もない。タワーバーは座面しっかり、ボルト4本でかっちり止まっている。
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