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(2011年記事 ダイハツ タント
著:ヒラリー&桃花)

 

ダイハツ・タント(L375S)・試乗インプレッション

2007年に2代目と進化した軽自動車、タントの試乗レポート。タント「X」CVTです。

2代目がデビューするということは当然人気車であるわけで、「タントの何が良いのか」、他の軽自動車との比較してみたくなり、ダイハツのディーラーに行って試乗してみました。

付き合いのあるディーラーで普通よりは長く試乗させてもらいましたが、ディーラーマン付きの試乗でしたので、今回は峠道はなし、タイヤが滑るほどの走行もなし、緊急ブレーキのテスト以外は街乗りだけの試乗インプレッションです。

※当サイトは辛口の試乗評価が特徴です。評論家が口に出来ないような点を強調して記載しています。

タントカスタムの内装4タントカスタムの内装5

売れているのは訳がある?

ボディサイズが決まっている軽自動車。イコール室内の広さも決まっているということになります。だって、エンジンもミッションもタイヤもシートも、さらには燃料タンクだって、多くのパーツで大きさが決まっていますから。
ということで、車室内が広いと言われるタントだが、どうせ頭上に開放感があるだけで、実際は広いという”イメージ”だろうと、そこまで期待はせずに、どうせムーブと大差ないだろうと思いつつ、車内を覗いてみました。

そしたら、えぇ!ビックリしました。ミラやムーブと比較するまでもなく、これは広い、いやホント、これが軽自動車かと疑うほど、室内が広いんです。隣にあったダイハツのムーブと比較しても、各部が少しずつタントの方が広い。
特に、試しに持参したチャイルドシートを積むような場面では、ムーブではかなり厳しく、逆にタントならラゲッジに入りました。リアシート足下に、チャイルドシートを横に倒して積むことも可能です。

やはりタント、売れているのはわけがある、やっぱり広い室内が魅力の軽自動車でした。

追記:後にデビューしたホンダN-Boxはさらに広い。比べるまでもなく一目でわかるほど広さが違います。リアシート足下なんてオデッセイのリアシートに近いくらいの広さがあります。

タントの内装

コックピットに乗り込んでインパネ周辺を見ると、車両価格130万円〜の軽自動車としては若干チープな質感と微妙なデザイン。車両110万円クラスのムーブなら納得できても、タントだとまた変わってくる。

「クルマは完全にプライベートな空間を持てる!」というのが大きな特徴の一つ。車室内の広さを重視したタントなら、あんな事にこんな事・・・。楽しい事を考えちゃう。

そんな希望に応えてくれるだけのワクワク感があるかといえば、多分なし。インパネはあまりじっくり見ない方がいいです。

同じダイハツでも例えば「ミラココア」なんかはもっと上質な個性を持っているし、見せ方も上手。また人によっては「ソニカ」だっていいかも。
これがタントの唯一の弱点。どうしてもの場合は、もう少し予算をプラスすればタントカスタムも選べるから、少しでも好みに近い方をぜひ。買ってしまえば気に入ってしまうエクステリアと、買った後に気になるインテリア。私は格言だと思っています。

シートのクッションはまずまず。そういやタントエグゼはいい感じ

短距離メインならシート硬度の最適解はふんわりシート。でしょう。軽自動車のメイン用途を考えれば30分で完全に沈み込んじゃっていいくらい。車体の挙動がわからない??それは軽自動車の守備範囲ではありません。

このタントの派生モデルに、「タントエグゼ」というモデルがあります。単純にシートだけで比較すれば、私はこちらが好き、仮にクッションが同じだとしても表皮が優しく、体にススゥと馴染みます。


ミラココアの内装はこんな感じ。エクステリアは人畜無害系ながら、インパネは”らしさ”を強調。

立体感がないからタントより質感は低く感じる。しかし見せ方がうまく、シボだって無理にレザー風を狙ってないからとてもよく見える。この方が逆にチープなプラスティック感覚を感じないかもしれない。

上品にまとめられた白系の内装は、ココアの大きな魅力。特殊なカタチをしていないのもいい。
参考:ミラココア試乗レポート

試乗してみると

ということで走ってみました。今回の試乗車はNAプラスCVT。例のごとくちょっと踏んだだけでガバッと開くアクセルには多少気を遣うものの、トヨタの4気筒クラスよりはマシと思えるセッティング。まあ許容範囲内でしょうか。
エンジンはさすがに3気筒なので、かなりの騒音と振動を出します。信号待ちではエンジンを切りたくなることもしばしば。

動力性能について

信号待ちからの発進では、アクセルペダルは全開ないし全開に近い状態となるが、普通に町中の流れに沿って加速できます。アクセルフィーリングは早開き。でも重量級軽自動車となるタントの場合、意外と加速しやすい。絶対的な動力性能に関して、上り坂では別かもしれませんが、平地なら普通に走れ、若干車重が重いといっても、特別問題はありません。

足回りについて

足回りの質感はどうか?今回は町中を普通に走っただけですので、多くのことはわかりません。わざと多少段差を走ってみましたが、乗り心地は上々。重厚感はありませんが意外といいサスペンションに脱帽です。
これは先代となる初代タントとの比較では、ハンドル切ってフワフワする感覚を押さえながら、乗り心地は同程度をキープ。柔らかいけど走りやすい。

軽自動車全般でハナシをすると、このサスペンションの質感、コストダウン最優先で作られているコンパクトカーより好感が持てるモノが多い。コンパクトカーは質感どうこうの前に意味なく突っ張るセッティングが多く、時速60キロ以上出すことはないというそれなりに想定できるユーザー層から離れてしまっている気がする。想像するに、軽自動車は日本市場がメインかつ近所の足代わりに合わせたセッティングをしているので、ちょっとお年を召されたユーザーの好みに合うことも多いと思う。

今回、ABSが効くほどのブレーキは試していませんが、ブレーキについて一言。サスペンションの質感については軽自動車にしてはまずまず、しかしブレーキはいかにも軽自動車のそれ。プアで踏みこたえなく、若干不安を感じてしまいます。ノーズダイブも大きめで、ドライバーさえ前につんのめりそうになる。

強めブレーキングでは

車体の形状を考えればしょうがないですが、ブレーキング時のノーズダイブもかなり大きめです。
とりあえず、車内の小物が飛ぶくらいの減速では一応問題ありませんでした。軽自動車として普通に減速します。これで十分といえば十分。でももう少し不安感を消してくれるようなサスセッティングがされていると安心して緊急ブレーキも踏めるってモノです。

長い長いホイールベース

タントの優れた点としてもう一つ、長いホイールベースが上げられます。調べてみれば2490ミリもあるらしい。これは一昔前のコンパクトカーサイズ。タントの広さもなるほど納得です。

さらにタントの乗り心地の良さはこのホイールベースの長さが効いているのかもしれません。ホイールベースが長いと様々な振動を打ち消すのが早いといいます。

※軽自動車の進化は早いから、きっとすぐにスタンダードになっちゃうと思います。評価も並みに降格。

タント、貴重な選択肢

このホームページは独断を偏見を多く含みつつも、「辛口」が特徴。その中で、このタントについては非常にいい評価となっています。

それは、実用車である軽自動車、便利なことが一番にこだわっているからこそです。価格的には決してお得でなく、高級軽自動車といっていい。同じ車両価格で例えばフィットやヴィッツだって買えます。そしてクルマの基本性能で比較すればフィットやヴィッツの方が断然いいわけです。

しかしタントには積極的に選ぶ理由があり、近所のお買い物としての利用や時速60キロ以上出さないような使い方ならタントで十分というのもうなずけます。

コンパクトカーと金銭的な比較

コンパクトカーとランニングコストを比較した場合、自動車税が10年間で30万円ほど安く、その間の車検で10万円ほど安い。これでだいたいタントの方が40万円安い計算になります。
その他消耗品の価格は同程度か軽自動車の方が高い事もあります。その他消耗品ではタイヤ。タイヤの価格は一般的なサイズかどうかが重要なポイント。このあたりは車種によって多少なりとも変わってきます。どっちにしてもアジア輸入タイヤなら価格はほとんど一緒。
参考:タイヤの通販や激安タイヤについてのページ

後は製品寿命の問題ですね。コンパクトカーの方がコストダウン競争が激しく、それならば軽自動車の方がマイナートラブルが少ないかもしれません。

タントの車両価格はけっこうお高め。一回に30分以上運転する事が多い方は、上記の価格差をペイできる中古車も含め、もう少し大きいクルマを中心に大いに迷って下さい。

ラゲッジスペースについて

タントのラゲッジスペースムーブのラゲッジスペース

左はタントのラゲッジスペース、右はムーブのラゲッジスペース。

わかりにくい写真でごめんなさい。実車で比較すると、タントの方が横方向に余裕があるような感じで使いやすい。いやボディ外寸は一緒だろうから大きな差は無いと思うんだけど。
ちょうど手持ちのベビーカーがあり、横積みできるか試したら、タントはギリギリOK。ムーブはうまく入りません。ベビーカーの大きさはコンビのバギータイプと普通タイプの中間タイプ。ワンタッチで折りたたみできるやつです。

タントのラゲッジ横幅はカタログスペックで880ミリ。ちなみにアトレーなどバン系だと1200ミリだったりするから乗用車系では広い方となります。

広いにプラスしてスライドドア

タント、ドア運転席側

タントの特徴といえばスライドドア。これによりデザインが劣ってしまう(ヒンジドアと比較して)というデメリットもありますが、だったら別の車種を選べばいいだけ。タントや後からデビューしたスズキのパレットを除けば、バンタイプの軽自動車しか選択肢がないスライドドア、でも、バンの質感はちょっと耐えられない。
そんな場合の選択肢として嬉しい「ボンネット付き+スライドドア」のタントです。

スライドドアにプラスしてBピラーレス

前から数えて2本目のピラーがBピラー。タントの助手席側にはこのBピラーがなく、広大な開口部を持っています。
開口部が大きければ剛性面でも重量面でも不利なのも事実。しかし真の実用車といえる軽自動車、細かい走行性能や燃費の差より、広く使えるというのは何より重視したい点。
子供をチャイルドシートに乗せたり下ろしたり、そんな場面でとても便利。

軽自動車の安全性について

安全性を細分化するとパッシブセーフティとアクティブセーフティの2つがある。ぶつからない安全とぶつかった際の安全。今回、ぶつかった後の安全性について個人的見解を少し述べさせて下さい

まず、「NASVA(自動車事故対策機構)」による衝突試験評価。JNCAP自動車アセスメント。
http://www.nasva.go.jp/mamoru/car_search

単純に結果を見ればだいたいの軽自動車は評価が厳しく、一部ホンダ・ゼストが小型車レベル並みとなっている。衝突エネルギー自体は軽い方が少ないとはいえ、以前では考えられない評価です。評価を確認する前提として、このテストは先に問題を教えてくれるテストなので、「決められた条件だけ高評価」なんてことにもなってるらしい。だからメーカーが慣れちゃってるみたい。
そうすると、試験以外のシチュエーションでは全然ダメとかもありえるので、現在は参考程度が吉

次にクルマ対クルマの衝突を考えてみる。個人的結論としては運が最も重要。4つ葉のクローバーの行方次第というわけです。どっちが安全とか、ぶつかってみないとわからないものかと。ほんの一瞬の何かで大きく変わるのではないかと思ってます。
じゃあ何でも一緒? しかしそれでは元も子もないので、確率を変えるために安全技術が進歩し、ドライバーは運転技術を磨くわけですね。

何かと衝突する。ぶつかって不安定なのは車重が軽い方。はじき飛ばされたりひっくり返ったり。船だったら転覆ですか。そうです。どうしても軽い方が不利になる可能性が高いです。
タントが重たいといっても小型車よりは2割程度軽い。具体的には信号待ち中に追突されて交差点内に飛ばされたり、反対車線に飛ばされたり、川に飛ばされることも。これらどれも軽自動車だからって訳じゃないですが。

軽自動車だからとイコールに近いのは、横転事故の70%が軽自動車とアナウンスされたこともあります。また個人的にイヤなのは、追突されてリアハッチのガラスが割れ、リアシート乗員がガラスの破片を被ったり。お子様がガラス被ったらどうです?精神的に耐えられないでしょ?
これ実際は真下に飛び散るかもしれないけど、どうだろ。軽自動車はガラスが近いからものすごく不安。ついでに大人だってガラスに頭近いから、ぶつかったらイタイだろうなぁ。カーテンエアバッグ様様かも。

ということで軽自動車のパッシブセーフティ。不安だらけだとは思う。しかしここで文中に戻り、運の要素がものすごく強く、軽自動車だからって危険とはいえないなと。これが持論。
普通車の安全性が気になったら、いま話題騒然「スモールオフセット衝突」なんてチェックしてみるといいです。

タントカスタムについて

ムーブにカスタムがあるようにタントにもカスタムが用意されています。ダイハツお得意の作戦で、少しでも高いクルマを売りたいと言わんばかりの戦略ですが、ユーザーにすれば選択肢が多いのは嬉しいこと。

タントカスタムのフロント〜サイド、サイド〜リア。

カスタム系の相違点

  • 外装のデザインが一部異なる。バンパー、グリル、サイドステップ、リヤスポイラー、リヤガーニッシュ、クリアコンビランプ。
  • 内装のパーツ、素材が一部異なる。センタークラスター、タコメーター、液晶ディスプレイ、本革ステアリング。
  • ヘッドライトがディスチャージになる。
  • スタビライザーの追加。グレード「RS」のみ、フロントスタビライザーが付く。

上記は基本的にタント「X」 132万円とタントカスタム「X」 155万円の装備比較。

タントは元々が高級軽自動車。そしてBピラーレスという、ダイハツ・タントでなければならない理由もある。だからカスタム系が割高かどうかという評価は必要なさそう。内外装の充実装備が気に入ればタント・カスタムで決まりです。

ダイハツ タント(2代目)

ダイハツ

Tanto (タント)

  • テストグレード : “X”
  • ミッション : CVT
  • 価格 : 1310000円

概要

  • 型式 : L375S
  • 排気量 : 660cc軽自動車
  • エンジン型式 : 3気筒KF型
  • 車両重量 : 920キロ

車両型式

  • L375S - 標準
  • L385S - 4WD

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当記事は「ヒラリー」と「桃花」が
お届けさせて頂きます。
適合バッテリー

タントのバッテリー適合詳細


タント

L375S - KF-VE 660cc 2007年〜
S40B19L

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国産車バッテリー
ライバルと比較しての評価
エンジン質感 タントの評価
足回りの質感 タントの評価
内装の質感 タントの評価
外装の質感 タントの評価
快適性 タントの評価
お買い得度 タントの評価




リアシート、フラットなフロア&大きな開口部。どちらからでも乗り降りしやすい。



ラゲッジスペース。倒しての利用は厳しいけど、最低限のスペースは用意されている。



やけに強調されるオーディオ&エアコン操作パネル。
下はカスタム系ブラック内装


パッと見は立派。でもよく見ると・・・。メーターパネルの演出ではスズキの方がうまいかもしれない。



助手席側はBピラーレス、運転席側はBピラーありだけどちゃんとドアがあるのが嬉しい。

辛口試乗レポートと合わせ、独断と偏見による5段階評価を記載。同価格帯の競合車との相対的評価を掲載。

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